2023年12月20日水曜日

素麺(そうめん、索麺)とは

 素麺(そうめん、索麺)とは、小麦粉を原料とした日本および東アジアの麺のひとつ。主に乾麺として流通するため、市場で通年入手できるが、冷やして食することが多く、清涼感を求めて夏の麺料理として食するのが一般的である。

日本では天武天皇の孫、長屋王邸宅跡(奈良市)から出土した木簡が最も古い「索餅」の記録となっている。原形はもち米と小麦粉を細長く練り2本を索状によりあわせて油で揚げたもので、現在の油条に似たものと考えられる。唐菓子の索餅は神饌として現在でも用いられており、素麺の原形を知る手がかりとなる。

素麺は、小麦粉に水と塩を加えてこねた種に植物油を塗って、細く引き伸ばして、天日干しにした極細の麺である。雪や雨が少ない気候や、晴れの日の多い冬の時期がそうめん作りに適しているとされている。

江戸時代の料理書には「切り麦」「麦切り」とも書かれており、現在のような切り麺として、親しまれていたことがわかる。冷蔵庫のない時代には、保存できる食材として活用されていた。詳しい由来は定かではないが、その後「素麺(そうめん)」という漢字が使用されるようになったのである。

素麺の製造方法は、大きく分けて手延べと機械製の2種類がある。手延べは、熟練した職人が水と塩を加えた小麦粉を練り、機械で引き延ばした麺を、さらに手作業で細く延ばして仕上げる伝統的な製法である。機械製は、小麦粉と水、塩を混ぜて生地を作り、機械で延ばして乾燥させる製法である。

素麺の食べ方は、主に冷やし素麺、つけ麺、そうめんつゆなどである。冷やし素麺は、素麺を冷水で洗って冷やし、だし汁やめんつゆにつけて食べる。つけ麺は、素麺を熱湯で茹でて、つけ汁につけて食べる。そうめんつゆは、だし汁に砂糖や醤油、みりんなどを加えて作る。

素麺は、日本だけでなく、中国、韓国、ベトナムなど、東アジアの各地で親しまれている。日本では、夏の風物詩として、多くの人々に愛されている麺料理である。

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