2024年8月1日木曜日

デビッド・コルブの経験学習モデルについて

経験から学ぶプロセスを体系化

デビッド・コルブ(David A. Kolb)は、経験から学習するプロセスを4つの段階に分けて体系化した「経験学習モデル」を提唱しました。このモデルは、単に知識を詰め込むのではなく、実際に体験し、それらを深く考え、新たな行動に繋げるという、より実践的な学習プロセスを重視しています。

4つの学習段階

コルブの経験学習モデルは、以下の4つの段階から構成されています。

  1. 具体的経験(Concrete Experience)

    • 新しい経験や課題に直接的に関わる
    • 五感を使って体験し、感覚的な情報を集める
    • 例:新しいプロジェクトに参加する、セミナーを受講する
  2. 内省的観察(Reflective Observation)

    • 経験したことを振り返り、その意味を考察する
    • 自分の感情や感覚、他者の反応などを分析する
    • 例:プロジェクトの成功・失敗の原因を分析する、セミナーの内容を自分なりに解釈する
  3. 抽象的概念化(Abstract Conceptualization)

    • 経験から得られた知見を概念化し、理論化する
    • 一般的な原理や法則を発見する
    • 例:プロジェクトの成功要因を一般化し、今後のプロジェクトに活かす、セミナーで学んだ知識を体系化する
  4. 能動的実験(Active Experimentation)

    • 概念化した知識を現実世界に適用し、新しい行動を起こす
    • 新しいアイデアを試したり、問題解決に当たる
    • 例:新たなプロジェクトの計画を立てる、セミナーで学んだことを実践する

学習サイクル

この4つの段階は、それぞれが互いに関連し合い、サイクルを形成しています。例えば、新たな経験(具体的経験)をすることで、それについて深く考える(内省的観察)きっかけとなり、そこから一般化された概念(抽象的概念化)が生まれ、それが新たな行動(能動的実験)へと繋がる、というように。

経験学習モデルの意義

  • 実践的な学習: 単なる知識の習得だけでなく、実際に体験し、それをもとに行動を変えることを重視している点で、実践的な学習を促進します。
  • 自己成長: 自分の経験を振り返り、そこから学びを得ることで、自己認識を深め、自己成長を促します。
  • 問題解決能力の向上: 経験から得られた知見を活かして、新たな問題に対処する能力を養います。
  • 組織学習: 組織全体でこのモデルを導入することで、組織全体の学習能力を高め、イノベーションを促進することができます。

まとめ

コルブの経験学習モデルは、単に知識を詰め込む学習法ではなく、より実践的で効果的な学習方法として注目されています。このモデルを理解し、自分の学習や組織の学習に活かすことで、より深い学びと成長を実現することができます。

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もし、このモデルについてさらに詳しく知りたいことがあれば、お気軽にご質問ください。