三角形が「形は同じで、大きさだけが違う(拡大・縮小の関係)」とき、その2つの三角形は相似であると言います。
まずは、相似になるための3つの条件を整理し、その後に身近な活用例を2つご紹介します。
1. 三角形の相似条件(3つ)
2つの三角形が相似であることを証明するには、以下のいずれか1つが成り立つ必要があります。
3組の辺の比がすべて等しい
対応する3組の辺の長さの比がすべて一致する場合です(例:すべて $1:2$ など)。
2組の辺の比とその間の角がそれぞれ等しい
2つの辺の比が同じで、その2辺に挟まれた角度が同じ場合です。
2組の角がそれぞれ等しい
2つの角が等しければ、自動的に残りの1角も等しくなるため、形が確定します。実務や問題で最もよく使われる条件です。
2. 身近に使える相似の例
相似の考え方を使うと、「直接測るのが難しいもの」の長さを計算で出すことができます。
例①:影を使って「高い木の高さ」を測る
木や建物の高さを直接メジャーで測るのは大変ですが、地面にできる影の長さを利用すれば簡単に計算できます。
仕組み: 太陽の光は平行に差し込むため、「木とその影」が作る直角三角形と、「手元の棒とその影」が作る直角三角形は、2組の角がそれぞれ等しいので相似になります。
やり方: 1. 長さ1mの棒を垂直に立て、その影の長さを測る(例:$1.5\text{m}$ だったとする)。
2. 木の影の長さを測る(例:$6\text{m}$ だったとする)。
3. 相似比を利用して計算する。
$$1 : 1.5 = \text{木の値} : 6$$$$\text{高さ} = 1 \times 6 \div 1.5 = 4\text{m}$$
例②:地図や設計図(縮尺)
地図や家の間取り図は、実際の地形や建物を一定の比率で小さくした「相似形」です。
仕組み: 全体の形を崩さずに、すべての辺を同じ比率(縮尺)で縮小しています。
やり方:
$1/50,000$ の地図上で、A地点からB地点までが $2\text{cm}$ だったとします。
実際の間隔は、$2\text{cm} \times 50,000 = 100,000\text{cm} = 1\text{km}$ と計算できます。
活用シーン: スマホのマップで距離を測ったり、家具を買う前に部屋の図面を見て「ここに置けるか」を確認したりする際、私たちは無意識に相似の原理を使っています。