「パタカラ体操」は、お口の周りの筋肉や舌の動きを鍛えるための代表的な口腔リハビリテーションです。特に食べ物を噛む・飲み込む力の維持(誤嚥性肺炎の予防)や、滑舌の改善に非常に効果があります。
「パ、タ、カ、ラ」の4文字には、それぞれ鍛える部位と役割が異なります。
1. 「パタカラ」各文字の効果と役割
それぞれの発音で、使う筋肉が異なります。一文字ずつ意識して発音することが大切です。
| 文字 | 鍛える部位 | 具体的な役割・効果 |
| パ | 唇 | 唇をしっかり閉じる力を鍛え、口から食べ物がこぼれるのを防ぎます。 |
| タ | 舌の先 | 舌の先を上顎に押し当てることで、食べ物を押しつぶし、奥へ運ぶ力を鍛えます。 |
| カ | 舌の奥 | 喉の奥を閉める力を鍛え、食べ物を一気に食道へ送り込み、誤嚥を防ぎます。 |
| ラ | 舌全体 | 舌を丸める動きで、食べ物をまとめ(食塊形成)、飲み込みやすくします。 |
2. 具体的な実践方法
基本的には**「食前」**に行うのが最も効果的です。唾液の分泌が促され、スムーズに食事を始めることができます。
① 一文字ずつゆっくり(5回ずつ)
大きな口を開け、はっきりと発音します。
「パ、パ、パ、パ、パ」
「タ、タ、タ、タ、タ」
「カ、カ、カ、カ、カ」
「ラ、ラ、ラ、ラ、ラ」
② 連続して発音(5回〜10回)
一息で「パタカラ」と繰り返します。
「パタカラ、パタカラ、パタカラ……」
③ 早く、はっきりと(数回)
できるだけ早く、かつ一文字ずつが混ざらないように発音します。
3. 期待できる5つのメリット
誤嚥(ごえん)の予防: 飲み込む力がつき、食べ物が気管に入るのを防ぎます。
唾液の分泌促進: お口の中が潤い、自浄作用が高まって口臭予防や虫歯予防になります。
表情が豊かになる: 顔の筋肉(表情筋)を使うため、お顔のシワやたるみの予防になります。
滑舌が良くなる: 会話がスムーズになり、コミュニケーションが楽しくなります。
いびきの改善: 喉周りの筋肉が引き締まることで、呼吸がスムーズになります。
4. 効果を高めるコツ
姿勢を正す: 背筋を伸ばし、正面を向いて行います。
「カ」を意識する: 日本人は特に「カ」の音が弱くなりやすいと言われています。喉の奥に力を入れるイメージでしっかり発声しましょう。
鏡を見る: 自分の口がしっかり動いているか確認しながら行うと、より効果的です。
[!TIP]
継続は力なり
1回5分程度で構いません。「食事の前の習慣」としてルーティン化することで、数ヶ月後には飲み込みやすさや話しやすさの違いを実感できるはずです。
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パタカラ体操と一緒に、首や肩を回す準備運動も行うとより安全です。やり方を追加でご説明しましょうか?