2025年6月8日日曜日

ローカル環境でWebページを作成し、Webブラウザでテストする方法

 はい、Windows 11 とメモ帳、そしてネットワーク環境があれば、サーバーサイドの開発ソフトを使わずに、ローカル環境でWebページを作成し、Webブラウザでテストできるというのはその通りです。これはWeb制作の最も基本的な出発点であり、非常に重要な概念です。

このことについて、具体的にどのように行えるのか、そのメリット・デメリット、注意点を含めて解説します。


Windows 11 とメモ帳でローカルWebページを作成・テストする方法

1. Webページの作成(HTMLファイルの作成)

  1. メモ帳を開く:

    Windows 11 のスタートメニューから「メモ帳」を検索して開きます。

  2. HTMLコードを記述する:

    メモ帳に、Webページの基本的な構造であるHTML(HyperText Markup Language)のコードを記述します。

    以下は、ごくシンプルなHTMLの例です。これをコピーしてメモ帳に貼り付けてみてください。

    HTML
    <!DOCTYPE html>
    <html lang="ja">
    <head>
        <meta charset="UTF-8">
        <meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
        <title>私の初めてのWebページ</title>
        <style>
            /* ここにCSSを書くこともできます */
            body {
                font-family: sans-serif;
                background-color: #f0f0f0;
                color: #333;
                text-align: center;
                padding: 50px;
            }
            h1 {
                color: #0056b3;
            }
        </style>
    </head>
    <body>
        <h1>ようこそ!</h1>
        <p>これはメモ帳で作成した私の初めてのWebページです。</p>
        <p>ローカル環境でテストしています。</p>
        <img src="https://via.placeholder.com/150" alt="サンプル画像">
        <br>
        <a href="https://www.google.com" target="_blank">Googleへ</a>
    </body>
    </html>
    
  3. ファイルを保存する:

    • メモ帳の「ファイル」メニューから「名前を付けて保存」を選択します。
    • 保存場所はどこでも構いませんが、デスクトップなど分かりやすい場所が良いでしょう。
    • 重要: 「ファイル名」を index.htmlmypage.html のように、必ず .html または .htm という拡張子を付けて保存します。
    • 「文字コード」は通常「UTF-8」を選択します。
    • 「ファイルの種類」は「すべてのファイル」を選択します。

2. Webブラウザでのテスト

  1. 保存したHTMLファイルを探す:

    デスクトップなどに保存した index.html(またはあなたが付けたファイル名)を見つけます。

  2. ブラウザで開く:

    • そのHTMLファイルをダブルクリックします。
    • 通常、お使いのデフォルトのWebブラウザ(Microsoft Edge、Google Chrome、Firefoxなど)で開かれます。
    • または、ブラウザを先に開いておき、ファイルメニューから「ファイルを開く」(または Ctrl+O)を選択し、保存したHTMLファイルを選択して開くこともできます。
  3. 表示の確認:

    ブラウザに、メモ帳で記述したHTMLの内容が表示されます。

    • 画像(上記の例ではプレースホルダー画像)が表示されるか、リンクが機能するかなどを確認します。
    • メモ帳でHTMLコードを修正し、保存し直してからブラウザを**再読み込み(F5キーなど)**すると、変更が反映されます。

この方法で可能なこと・メリット

  • HTMLとCSSの学習: Webページの基本的な構造(HTML)と見た目の装飾(CSS)を、実際に手を動かしながら学ぶことができます。
  • プログラミング不要: サーバーサイドの言語(PHP, Python, Node.jsなど)やデータベースの知識が一切不要で、Webページの骨格を作成・表示できます。
  • 手軽に始められる: Windows 11に標準搭載されているメモ帳とWebブラウザだけで完結するため、特別なソフトウェアのインストールが不要です。
  • ローカル環境での確認: インターネットに公開する前に、自分のPC上で表示や動作を確認できます。表示の崩れや誤字脱字などを公開前に修正できます。
  • 費用がかからない: ドメイン取得やレンタルサーバーの契約など、公開にかかる費用が一切発生しません。

この方法でできないこと・注意点

  • 静的なページのみ: HTMLとCSSだけで構成される「静的なWebページ」しか作成できません。

    • ユーザーからの入力値を受け取って処理するお問い合わせフォーム
    • ログイン機能や会員登録機能
    • データベースから情報を取得して表示するブログ記事一覧
    • 動的に内容が変化するコンテンツ これらを実現するためには、サーバーサイドの言語やデータベース、JavaScript(クライアントサイドの動的な処理)が必要になります。
  • インターネットへの公開はできない:

    この方法で作成したWebページは、あなたのPCの中だけに存在します。他の人がインターネット経由でアクセスすることはできません。公開するためには、レンタルサーバーにファイルをアップロードし、ドメインを設定する必要があります。

  • 機能の限界:

    • JavaScript(クライアントサイドスクリプト)を記述して、ボタンクリックでメッセージを出す、画像をスライドさせるなどの軽い動的な処理は組み込めます。
    • しかし、PHPなどのサーバーサイド言語が必要な動的なデータのやり取りや、複雑なアプリケーションの構築はできません。
  • 開発効率:

    メモ帳はシンプルなテキストエディタであり、HTMLやCSSの記述を効率化する機能(コードの自動補完、エラーチェック、構文ハイライトなど)はありません。本格的な開発には、Visual Studio Codeなどの高機能なテキストエディタやIDE(統合開発環境)が推奨されます。

  • ネットワークの必要性:

    「ネットワークがあれば」とありますが、これはもし画像ファイルをオンライン上から読み込む場合(例:https://via.placeholder.com/150 のような外部URLの画像)や、外部のCSS/JavaScriptライブラリ(例:Bootstrap, jQueryのCDN版)を利用する場合に必要になります。純粋にローカルに保存した画像やCSSファイルだけを使うのであれば、インターネット接続は必須ではありません。


まとめ

Windows 11 のメモ帳とブラウザを使ったローカルWebページ作成は、Web制作の第一歩として非常に有効です。HTMLとCSSの基本を学ぶには最適な環境と言えるでしょう。

「まずは自分のPCでWebページを作ってみたい」「HTMLやCSSってどんなものか試してみたい」という方にとっては、手軽に始められる素晴らしい方法です。ここから始めて、Webの仕組みを理解し、さらに高度な技術へとステップアップしていくことができます。