SDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)とは、2015年に国連サミットで採択された、2030年までに達成すべき国際目標です。「誰一人取り残さない(leave no one behind)」持続可能な社会の実現を目指し、17のゴール(目標)と、それらを達成するための169のターゲットで構成されています。
ここでは、その17のゴールについて簡潔に解説します。
SDGsの17のゴール(目標)
【社会分野】
貧困をなくそう (NO POVERTY)
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困を終わらせることを目指します。
活動例: 貧困家庭への食料・教育支援、社会保障制度の充実、緊急時の人道支援。
飢餓をゼロに (ZERO HUNGER)
飢餓を終わらせ、食料安全保障と栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進します。
活動例: 食品ロスの削減、地産地消の推進、持続可能な農業技術の普及、開発途上国への食料支援。
すべての人に健康と福祉を (GOOD HEALTH AND WELL-BEING)
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進します。
活動例: 予防接種の普及、医療アクセスの改善、メンタルヘルス支援、感染症対策、健康経営の推進。
質の高い教育をみんなに (QUALITY EDUCATION)
すべての人々に包摂的かつ公平な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進します。
活動例: 貧困地域の学校建設、教員の育成、ICT教育の推進、多様な学びの機会提供。
ジェンダー平等を実現しよう (GENDER EQUALITY)
ジェンダー平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図ります。
活動例: 男女間の賃金格差解消、管理職への女性登用、育児・介護の共同参画、性暴力の根絶。
安全な水とトイレを世界中に (CLEAN WATER AND SANITATION)
すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保します。
活動例: 節水、水質汚染対策、安全な飲料水供給、衛生施設の整備、雨水活用。
【経済分野】
エネルギーをみんなに そしてクリーンに (AFFORDABLE AND CLEAN ENERGY)
すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保します。
活動例: 再生可能エネルギーの導入・普及、省エネルギー対策、LED照明への切り替え。
働きがいも経済成長も (DECENT WORK AND ECONOMIC GROWTH)
包摂的かつ持続可能な経済成長、完全かつ生産的な雇用、すべての人々の働きがいのある人間らしい雇用を促進します。
活動例: 労働環境の改善、ハラスメント防止、多様な働き方(リモートワーク、フレックスタイム)の推進、適正な賃金。
産業と技術革新の基盤をつくろう (INDUSTRY, INNOVATION AND INFRASTRUCTURE)
強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を促進し、イノベーションを推進します。
活動例: 環境配慮型製品の開発、持続可能な交通システムの構築、技術革新への投資、地域産業の活性化。
人や国の不平等をなくそう (REDUCED INEQUALITIES)
国内および国家間の不平等を是正します。
活動例: 障がい者雇用促進、外国人労働者支援、所得格差是正、開発途上国への経済協力。
住み続けられるまちづくりを (SUSTAINABLE CITIES AND COMMUNITIES)
包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市および人間居住を実現します。
活動例: バリアフリー化、緑地の増加、公共交通機関の利用促進、災害に強いまちづくり、文化遺産保護。
つくる責任 つかう責任 (RESPONSIBLE CONSUMPTION AND PRODUCTION)
持続可能な生産消費形態を確保します。
活動例: ごみの減量とリサイクル、簡易包装の選択、持続可能な素材の使用、フェアトレード商品の購入、フードロス削減。
【環境分野】
気候変動に具体的な対策を (CLIMATE ACTION)
気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取ります。
活動例: 二酸化炭素排出量削減、省エネ、再生可能エネルギーの利用、植林活動、気候変動教育。
海の豊かさを守ろう (LIFE BELOW WATER)
持続可能な開発のために、海洋と海洋資源を保全し、持続可能な形で利用します。
活動例: マイクロプラスチック削減、海洋汚染対策、乱獲防止、海の生態系保護。
陸の豊かさも守ろう (LIFE ON LAND)
陸上生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止・回復、生物多様性の損失を阻止します。
活動例: 森林保護、野生生物保護、持続可能な農業、自然公園の保全、生物多様性の学習。
【枠組み分野】
平和と公正をすべての人に (PEACE, JUSTICE AND STRONG INSTITUTIONS)
持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築します。
活動例: 紛争解決、人権擁護、腐敗の根絶、透明性の高い政治・行政、法整備。
パートナーシップで目標を達成しよう (PARTNERSHIPS FOR THE GOALS)
持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化します。
活動例: 企業、NPO、行政、教育機関、個人など多様な主体が連携・協力し、知識や技術、資金を共有する。
これらの目標は相互に関連しており、どれか一つだけを達成すれば良いというものではありません。すべてを統合的に取り組み、「誰一人取り残さない」持続可能な世界を目指すことがSDGs活動の核心です。