2025年6月10日火曜日

東員町が実施している「東員町 お出かけ 安心ネットワーク事業」や 「東員町 お出かけ安心 シール 交付事業」 について具体的に詳しく解説してください。

 東員町が実施している「東員町 お出かけ 安心ネットワーク事業」と「東員町 お出かけ安心 シール 交付事業」は、認知症などで徘徊のおそれがある高齢者や障害を持つ方が、万が一行方不明になった際に早期に発見・保護し、ご家族の負担を軽減することを目的とした、地域全体で支え合うための重要な取り組みです。

それぞれの事業について、具体的に詳しく解説します。


1. 東員町 お出かけ 安心ネットワーク事業

この事業は、地域住民や協力事業所、関係機関が連携し、徘徊によって行方不明となった方を地域全体で見守り、早期発見・保護に繋げるためのネットワークを構築するものです。

目的:

  • 地域全体で、徘徊等により行方不明となる可能性がある高齢者や障害を持つ方(以下「見守り対象者」)を早期に発見すること。
  • 見守り対象者に対し、必要な支援につなげ、住み慣れた地域で安心して生活できるよう支援すること。

事業内容の具体例:

  1. 徘徊する方等の登録制度の運用:

    • 徘徊等により行方不明となる可能性がある方が、事前に東員町に登録されます。この登録には、見守り対象者の氏名、住所、連絡先、顔写真、身体的特徴、普段の服装、行動パターンなどの情報が含まれます。
    • この情報は、万が一の行方不明時に、警察や協力事業所、関係機関との連携に役立てられます。
  2. 協力事業所の登録と連携:

    • 東員町内のコンビニエンスストア、スーパー、郵便局、金融機関、タクシー会社、新聞販売店など、日常的に地域を巡回する事業所や店舗が「協力事業所」として登録されます。
    • 協力事業所の従業員は、事業の趣旨を理解し、見守り対象者と思われる方を発見した際に、町や警察に連絡する役割を担います。
    • 町は、協力事業所に対し、情報提供や研修会などを実施し、事業の円滑な実施を支援します。
  3. 関係機関等との緊急連絡体制および支援体制の構築:

    • 町は、警察、消防、地域包括支援センター、医療機関、介護サービス事業所、民生委員・児童委員など、様々な関係機関や団体と連携し、見守り対象者が行方不明になった際の緊急連絡体制を確立します。
    • 行方不明の情報があった場合、登録された見守り対象者の情報を速やかに共有し、捜索活動を効率的に行います。
    • 東員町行政情報等メール配信サービスを活用し、行方不明者情報を関係機関等に発信することもあります。
  4. 見守りネットワーク連絡会の開催:

    • 定期的に協力事業所、関係団体、関係機関との情報交換や課題協議を行う連絡会を開催し、見守りネットワークの運営を円滑に進めます。

対象者:

  • 町内に住所を有し、かつ居住する人のうち、徘徊等により行方不明となる可能性がある人
    • おおむね65歳以上の人
    • 要支援・要介護状態にある40歳以上65歳未満の人で、その要介護・要支援状態の原因が特定疾患によって生じた人
    • その他町長が認める人

ポイント:

この事業は、特定の個人だけでなく、地域全体で高齢者や障害を持つ方を支え、万が一の事態に備えるための「見守り」と「連携」に重点を置いています。


2. 東員町 お出かけ安心 シール 交付事業

この事業は、「東員町 お出かけ 安心ネットワーク事業」の一環として、行方不明時により迅速な身元確認と早期保護を可能にするための具体的なツールを提供するものです。

目的:

  • 認知症等により所在不明となった対象者を早期に発見し、その生命及び身体の安全を確保すること。
  • 介護者の精神的負担を軽減すること。

事業内容の具体例:

  1. 「おでかけあんしんシール」の交付:

    • 徘徊のおそれがある対象者に対し、QRコード付きの「おでかけあんしんシール」が無償で交付されます。
    • シールは主に2種類あります。
      • 耐洗コードラベル(20枚): 服や帽子など衣類にアイロンで貼り付けるタイプで、洗濯にも耐えられます。
      • 蓄光シール(10枚): 光を蓄えて暗闇で光るタイプで、夜間の発見にも役立ちます。
  2. QRコードによる情報連携システム:

    • シールに印字されているQRコードには、対象者の個別番号が登録されています。
    • 行方不明になった対象者を発見した人が、そのシールに印字されたQRコードを携帯電話やスマートフォンで読み取ると、事前に登録された介護者(家族等)に通知メールが自動的に送信されます。
    • 発見者と介護者は、インターネット上の伝言板(ウェブサイト)を介して、対象者の現在位置や健康状態などの情報を共有できます。これにより、発見者が対象者を見守りながら、介護者が迎えに行くまでの間の連携がスムーズになります。
  3. 個人情報の保護:

    • シールには個人を特定できる氏名や住所などは直接印字されていません。情報は個別番号とQRコードに紐付けられ、インターネット上のシステムで管理されるため、個人情報の漏洩リスクを抑えつつ、必要な情報共有が可能となっています。

対象者:

  • 「東員町 お出かけ 安心ネットワーク事業」と同様の基準で、町内に居住し、徘徊等により行方不明となる可能性があるおおむね65歳以上の人、または特定疾患による要支援・要介護状態にある40歳以上65歳未満の人、その他町長が認める人。

ポイント:

この事業は、最新のテクノロジー(QRコード)を活用し、行方不明時の「初期対応の迅速化」と「情報共有の円滑化」を目的としています。介護者の精神的な負担軽減にも大きく寄与します。


まとめ

東員町の「お出かけ 安心ネットワーク事業」と「お出かけ安心 シール 交付事業」は、どちらも認知症などで徘徊の可能性がある方を対象とした、地域包括ケアシステムの一環として展開されています。

  • 安心ネットワーク事業は、町全体で見守りの目を増やし、関係機関との連携を強化することで、行方不明者の早期発見・保護を目指す**「仕組み」**です。
  • 安心シール交付事業は、その仕組みをより効果的に機能させるための**「具体的なツール」**を提供し、発見者と介護者のスピーディーな情報共有を可能にするものです。

これらの取り組みにより、東員町は、認知症の方が安心して暮らせる地域社会の実現と、そのご家族の精神的・身体的負担の軽減を図っています。万が一の事態に備え、これらの事業を積極的に活用することが推奨されます。