手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)は、手首にある「手根管」というトンネルが狭くなり、そこを通る正中神経(せいちゅうしんけい)が圧迫されることで起こる病気です。
人差し指や中指のしびれ、痛みが代表的な症状で、特に明け方に強く感じるのが特徴です。
1. 主な原因
原因は多岐にわたりますが、主に以下の要素が挙げられます。
手の使いすぎ: 仕事や趣味(家事、PC操作、手芸、楽器、スポーツなど)で手首を酷使すること。
むくみやホルモンの変化: 妊娠・出産期や更年期の女性に多く見られます。これはホルモンバランスの変化による腱鞘のむくみが原因と考えられています。
骨折や怪我: 過去の手首の骨折による変形など。
その他の疾患: 糖尿病、透析、関節リウマチなどの合併症として現れることもあります。
2. どうしたら一番いいのか(対処法)
まずは「整形外科」を受診し、正しく診断してもらうことが最優先です。その上で、一般的には以下のような治療が行われます。
手を休める(安静)
もっとも基本的で重要な治療です。特に痛みがある動作は控え、手首を使いすぎないように意識します。
装具(サポーター)の使用
夜間に手首を固定する「スプリント」という装具を着用すると、寝ている間に手首が曲がって神経を圧迫するのを防げるため、明け方のしびれが軽減されます。
薬物療法・注射
ビタミンB12剤: 神経の修復を助けるために処方されます。
ステロイド注射: 手根管内に炎症を抑える薬を直接注射することで、劇的に改善する場合があります。
手術
保存療法(薬や安静)で改善が見られない場合や、親指の付け根の筋肉(母指球筋)が痩せてきて物をつまみにくくなった場合は、神経を圧迫している靭帯を切開する手術を検討します。現在は内視鏡を用いた低侵襲な手術も普及しています。
日常で気をつけること
手首を曲げたままにしない: 自転車のハンドルを握り続ける、スマホを長時間持つなど、手首に角度がついた状態を長く続けないようにしましょう。
冷やさない: 血行が悪くなるとしびれを感じやすくなるため、手首を温めるのも効果的です。
指先の感覚が鈍くなったり、ボタンがけがしにくくなったりしている場合は、早めに専門医へ相談されることをおすすめします。