逆ポーランド記法(ぎゃくポーランドきほう、Reverse Polish Notation, RPN)は、数式やプログラムの記法の一種です。演算子を被演算子の後ろに置くことから、後置記法とも呼ばれます。
なぜ逆ポーランド記法を使うのか?
- 括弧が不要: 計算の優先順位を括弧を使わずに表現できるため、式がシンプルになります。
- 計算機での処理が簡単: スタックというデータ構造を用いて、式を前から順に読みながら計算していくことができます。
- コンパイラ設計: コンパイラ内部では、人間が読みやすい中置記法を逆ポーランド記法に変換し、計算処理を行います。
逆ポーランド記法の例
中置記法 | 逆ポーランド記法 |
---|---|
3 + 4 | 3 4 + |
(3 + 4) * 5 | 3 4 + 5 * |
3 * 4 + 5 | 3 4 * 5 + |
逆ポーランド記法の計算方法(スタックを用いた場合)
- 式を左から順に見ていく:
- 数値: スタックにプッシュする。
- 演算子: スタックから2つの数値をポップし、演算を行い、結果をスタックにプッシュする。
- 式が最後まで来たら、スタックの一番上が計算結果となる。
例: 3 4 + 5 * の計算
- 3 をスタックにプッシュ
- 4 をスタックにプッシュ
-
- を見つけたので、スタックから3と4をポップし、足し算を行い、7をスタックにプッシュ
- 5 をスタックにプッシュ
-
- を見つけたので、スタックから7と5をポップし、掛け算を行い、35をスタックにプッシュ
- 式の終わり。スタックの一番上の35が計算結果。
逆ポーランド記法のメリットとデメリット
メリット
- 括弧が不要で、式が簡潔
- 計算機の処理が簡単
- コンパイラ設計に適している
デメリット
- 人間の目には直感的に分かりにくい
- 中置記法から逆ポーランド記法への変換が必要
まとめ
逆ポーランド記法は、計算機の内部処理やコンパイラの設計において重要な役割を果たしています。一見複雑に見えますが、スタックというデータ構造を用いれば、比較的簡単に計算を行うことができます。
その他
- 逆ポーランド記法の変換: 中置記法から逆ポーランド記法への変換には、スタックを用いたアルゴリズムが一般的です。
- 応用: 計算器、プログラミング言語(Forthなど)、コンパイラなど、様々な分野で利用されています。
さらに詳しく知りたい方へ
- Wikipedia:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%86%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E8%A8%98%E6%B3%95 - Qiita:
https://qiita.com/yo-naka/items/f17790fc9060c89665ed
何か質問があれば、お気軽にご質問ください。
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Reverse Polish Notation (RPN) is a mathematical notation where operators follow their operands, rather than the conventional notation where operators are placed between their operands. It's also known as postfix notation.
For example:
- Infix notation:
3 + 4
- Postfix notation:
3 4 +
In RPN, the operator (+
) is placed after the operands (3 and 4).