合略仮名とは、仮名の合字である。
具体的には、平仮名や片仮名の音節を組み合わせて、1つの文字として表記したものである。
合略仮名の始まりは、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけてと考えられている。当時は、仮名の使用が広まり、文字の数が少ないために、同じ音の仮名を組み合わせて、1つの文字として表記するようになったと考えられている。
合略仮名は、主に、和歌や俳句などの文学作品や、古文書などで使用された。
代表的な合略仮名には、以下のようなものがある。
- 平仮名
- ゐ→い
- ゑ→え
- む→ん
- ん→む
- むむ→む
- むむむ→ん
- むんむ→む
- 片仮名
- シ→シ
- テ→テ
- ト→ト
- サ→サ
- ソ→ソ
- ハ→ハ
- マ→マ
- ヤ→ヤ
- ラ→ラ
- ワ→ワ
合略仮名は、現代の日本語では、ほとんど使われなくなった。ただし、一部の地域や業界では、現在も使用されているものもある。
たとえば、沖縄県では、合略仮名の「ゐ」や「ゑ」が、現代仮名遣いでは「い」や「え」で表記される音節を表すために使用されている。また、歌舞伎や狂言などの伝統芸能では、合略仮名が、古典的な雰囲気を出すために使用されている。