EMSは、Electronics Manufacturing Servicesの略で、電子機器受託製造サービスを意味します。簡単に言うと、他社の製品の製造を請け負うサービスのことです。
EMSの仕組み
- 製品設計: お客様（製品メーカー）が製品の設計図や仕様書を提供します。
- 部品調達: EMS企業が、設計図に基づいて必要な部品を調達します。
- 製造: 調達した部品を使って、製品を組み立てます。
- 検査: 完成した製品の品質検査を行います。
- 出荷: お客様に製品を出荷します。
EMSを利用するメリット
- コスト削減: 自社で製造設備を持つよりも、変動費を抑えられます。
- スピードアップ: 専門企業に製造を委託することで、製品化までの時間を短縮できます。
- 柔軟な対応: 需要の変動に対応しやすく、小ロット生産も可能です。
- 専門性の高い技術: EMS企業は、製造に関する高度な技術を持っています。
EMSのデメリット
- 情報漏洩のリスク: 自社の製品に関する情報を外部に委託するため、情報漏洩のリスクがあります。
- 品質管理の難しさ: 自社で製造する場合と比べて、品質管理が難しくなる場合があります。
- 依存度が高まる: 特定のEMS企業に依存しすぎると、交渉力が弱まる可能性があります。
EMSの事例
- スマートフォン: AppleのiPhoneは、Foxconnをはじめとする複数のEMS企業によって製造されています。
- パソコン: DellやHPのパソコンも、EMS企業に製造を委託しています。
- ゲーム機: PlayStationやXboxなどのゲーム機も、EMS企業によって製造されています。
EMSの種類
EMSには、大きく分けて以下の2種類があります。
- ODM (Original Design Manufacturer): お客様の設計に基づいて製造するだけでなく、設計の一部を請け負う場合もあります。
- OEM (Original Equipment Manufacturer): お客様の設計に基づいて、製品を製造します。
EMSと似た言葉
- OEM: 上記で説明した通り、EMSの一種です。
- ODM: 上記で説明した通り、EMSの一種です。
- ODM/OEM: ODMとOEMを合わせた言葉で、設計から製造までを一貫して行うことを指します。
まとめ
EMSは、現代の製造業において重要な役割を果たしています。特に、電子機器業界では、製品のライフサイクルが短く、多品種少量生産が求められるため、EMSの利用がますます広がっています。
さらに詳しく知りたい方へ
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免責事項: この解説は、一般的な情報に基づいたものであり、個別の状況に応じたアドバイスではありません。
