2025年4月3日木曜日

デジタル社会形成基本法とは 何ですか? 具体的に解説してください。

 デジタル社会形成基本法(令和3年5月19日法律第35号)は、日本におけるデジタル社会の形成に関する基本的な理念や、国、地方公共団体、事業者の責務、そして施策の策定・実施などについて定めた法律です。

2000年に制定された「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT基本法)」を全面的に見直し、デジタル化が急速に進む現代社会に対応するために制定されました。いわゆるデジタル庁関連6法の中核となる法律です。

具体的に解説します。

1. 法律の目的(第一条)

この法律は、デジタル社会の形成が、

  • 我が国の国際競争力の強化
  • 国民の利便性の向上
  • 急速な少子高齢化への対応
  • その他、我が国が直面する課題の解決

に極めて重要であるという認識に基づき、デジタル社会の形成に関する施策を迅速かつ重点的に推進し、もって我が国経済の持続的かつ健全な発展と国民の幸福な生活の実現に寄与することを目的としています。

2. 「デジタル社会」の定義(第二条)

この法律における「デジタル社会」とは、

  • インターネットその他の高度情報通信ネットワークを通じて、自由かつ安全に多様な情報や知識を世界的規模で入手、共有、発信できること
  • AI、IoTなどの先端的な情報通信技術を用いて、電磁的記録として記録された多様かつ大量の情報を適切かつ効果的に活用することにより、あらゆる分野において創造的かつ生産的な活動が展開される社会

と定義されています。

3. 基本理念(第三条~第十二条)

デジタル社会の形成に関する施策を推進する上での基本的な考え方として、以下の理念が定められています。

  • 全ての国民が情報通信技術の恵沢を享受できる社会の実現
  • 経済構造改革の推進及び産業国際競争力の強化
  • ゆとりと豊かさを実感できる国民生活の実現
  • 活力ある地域社会の実現等
  • 国民が安全で安心して暮らせる社会の実現
  • 多様な利用者の利便性の向上
  • 利用の機会、能力等の格差の是正
  • オープンで公正な環境の整備
  • 官民の適切な役割分担及び連携協力
  • 個人及び法人の権利利益の保護

これらの基本理念は、デジタル社会の形成を進める上での羅針盤となるものです。

4. 国、地方公共団体及び事業者の責務等(第十三条~第十九条)

  • 国及び地方公共団体の責務: デジタル社会の形成に関する施策を策定し、実施する責務を負います。地方公共団体は、地域の特性を活かした施策の策定・実施が求められます。
  • 事業者の責務: 基本理念にのっとり、自ら積極的にデジタル社会の形成の推進に努めるとともに、国や地方公共団体が実施する施策に協力するよう努める義務を負います。

5. 施策の策定に係る基本方針(第二十条~第三十七条)

デジタル社会の形成に関する施策を策定する上での基本的な方針が、多岐にわたる項目について定められています。例として、

  • 高度情報通信ネットワークの整備
  • 情報通信技術の利用の促進
  • 情報リテラシーの向上
  • データの利活用
  • サイバーセキュリティの確保
  • 行政のデジタル化
  • 地域社会のデジタル化
  • 国際的な連携

などが挙げられます。

6. デジタル庁(第三十八条)

デジタル社会形成基本法に基づき、デジタル社会の形成に関する施策を迅速かつ重点的に推進するため、内閣にデジタル庁が設置されました。デジタル庁は、政府全体のデジタル化を推進する司令塔としての役割を担っています。

7. デジタル社会の形成に関する重点計画(第三十九条・第四十条)

政府は、デジタル社会形成基本法に基づき、デジタル社会の形成に関する重点計画を作成し、国会に報告することが義務付けられています。この重点計画は、具体的な目標や施策を示すもので、デジタル社会の実現に向けた道筋を示すものとなります。

まとめ

デジタル社会形成基本法は、日本がデジタル社会へと変革していくための基本的な方向性を示す重要な法律です。国民生活の向上、経済発展、そして社会課題の解決に向けて、国、地方公共団体、事業者、そして国民一人ひとりが協力してデジタル社会を形成していくための基盤となるものです。