2025年9月22日月曜日

日本モンキーセンターとは

 日本モンキーセンターは、愛知県犬山市にある、世界でも珍しい「サル類専門の動物園」です。約60種、約700頭の世界中のサルたちが飼育されており、その飼育展示数は世界的にもトップクラスを誇ります。

1. 料金

日本モンキーセンターと隣接する遊園地「日本モンキーパーク」は、2014年4月から入園料が分離され、それぞれ独立した施設として運営されています。

  • 入園料(2025年9月現在)

    • 大人(高校生以上):1,200円

    • 小中学生:500円

    • 幼児(3歳以上):300円

  • 割引

    • 共通券: 日本モンキーパークとの共通券や、国宝犬山城との共通券も販売されており、それぞれ単独で購入するよりもお得になります。

    • 友の会: 年間4回以上来園する方には、「友の会」への入会がお得です。年間パスポートとして利用できるだけでなく、様々な特典があります。

    • 障がい者割引: 障害者手帳(またはスマートフォンアプリ「ミライロID」)の提示で、本人と介助者1名が入園料半額になります。

    • その他: JAF会員など、時期によって様々な割引サービスが提供されることがあります。最新情報は公式サイトで確認しましょう。

2. 歴史

日本モンキーセンターは、学術研究機関としての側面も持つ、非常にユニークな歴史を持っています。

  • 創設: 1956年(昭和31年)に、霊長類の研究と普及を目的に公益財団法人として設立されました。当時から京都大学の霊長類学者たちが運営に深く関わっており、日本の霊長類学の中心地としての役割を担ってきました。

  • 名鉄との関係: 長らくは、名古屋鉄道が運営する「日本モンキーパーク」の動物園部分として一体的に運営されてきました。

  • 独立: 2014年(平成26年)に公益財団法人として独立し、学術研究や保全活動により力を入れるようになりました。

  • 国際的な貢献: 世界で最も歴史の長い霊長類学の学術誌『Primates』を創刊するなど、日本の霊長類研究をけん引してきた歴史があります。

3. 見どころ

単にサルを見るだけでなく、その行動や生態を学べる展示が魅力です。

  • たき火にあたるサル: 冬季限定(冬至から2月末頃まで)で、ヤクシマザルがたき火を囲んで暖をとる様子を観察できます。火を怖がらないサルたちの姿は、日本モンキーセンターを象徴する光景として知られています。

  • モンキースクランブル: 頭上をサルたちが自由に渡り歩く、開放感のある展示施設です。

  • Waoランド: ワオキツネザルが暮らす島の中に人が入って、間近で観察できる人気の施設です。触れることは禁止されていますが、ワオキツネザルの自然な姿を間近で見られます。

  • 展示物の多様性: ニホンザルからニシゴリラ、チンパンジー、さらには夜行性のサルまで、多種多様な霊長類を飼育しています。中には、日本で唯一飼育されている珍しい種もいます。

  • 行動展示: 檻やガラスの仕切りが少ない展示方法を採用しており、サルたちが自然に近い環境で生活する姿をじっくりと観察できます。

  • 学術的な側面: 園内には標本室などがあり、博物館としての機能も果たしています。霊長類に関する豊富な知識を、飼育員によるガイドや解説パネルから学ぶことができます。

日本モンキーセンターは、家族連れはもちろん、動物好きや、学術的な関心を持つ大人も楽しめる、奥深い魅力を持つ施設です。

博物館明治村とは

 博物館明治村は、愛知県犬山市にある、明治時代(1868年〜1912年)の貴重な建築物を保存・展示している広大な屋外博物館です。明治時代の歴史や文化を「見て」「触れて」「体験して」学ぶことができる施設として、多くの人に親しまれています。

1. 施設の概要

  • 目的と背景: 高度経済成長期に、日本の近代化に貢献した貴重な明治の建築物が次々と取り壊される危機に直面していました。こうした文化財を後世に残すため、建築家・谷口吉郎氏と、当時の名古屋鉄道社長・土川元夫氏らが中心となって、昭和40年(1965年)に開村しました。

  • 広大な敷地: 入鹿池(いるかいけ)に面した約100万平方メートルの広大な敷地に、全国各地から移築・復元された60以上の建造物が点在しています。

  • 展示物:

    • 歴史的建造物: 重要文化財11件を含む、多くの歴史的建造物を見ることができます。

    • 代表的な建物:

      • 帝国ホテル中央玄関: アメリカの建築家フランク・ロイド・ライトが設計した旧帝国ホテルの玄関部分。その独創的なデザインは、村のシンボルの一つです。

      • 聖ザビエル天主堂: 京都市に建てられた、美しいステンドグラスを持つカトリック教会。

      • 旧西郷從道邸: 西郷隆盛の弟である西郷從道が建てた、和洋折衷様式の豪華な邸宅。

      • 三重県庁舎: 明治期の代表的な擬洋風建築の一つ。

  • 村内の構成: 敷地は1丁目から5丁目までのエリアに分かれており、それぞれ特徴のある建物が配置されています。

2. 楽しみ方

  • タイムトラベル体験:

    • SL(蒸気機関車)と京都市電: 明治時代に実際に使われていたSLや京都市電が村内を走っており、乗車体験(有料)ができます。ノスタルジックな風景を車窓から楽しめます。

    • ハイカラ衣装レンタル: 明治時代の女学生や書生風の衣装を借りて、村内を散策することができます。写真撮影にもぴったりです。

  • グルメ:

    • 文明開化の象徴である「牛鍋」や、当時の文献を再現した「食道楽のコロツケー」など、明治時代にちなんだグルメを味わうことができます。

    • 各建物にちなんだユニークな飲食物も販売されており、食べ歩きも楽しめます。

  • 学びと発見:

    • 建物ガイド: 学芸スタッフやボランティアガイドによるガイドツアーが開催されており、建物の歴史や見どころについて詳しく解説してもらえます。

    • 展示資料: 各建物内には、当時の暮らしぶりや、その建物に関連する歴史資料が展示されています。

  • ロケ地: NHKの連続テレビ小説「ごちそうさん」や「花子とアン」をはじめ、多くの映画やドラマのロケ地としても使用されています。

3. アクセス

  • 所在地: 愛知県犬山市今井成沢1

  • 公共交通機関: 名鉄犬山駅から路線バスが出ています。

  • : 駐車場も完備されています。

博物館明治村は、単なる建築物の展示にとどまらず、当時の人々の息吹や文化を五感で感じられる、他に類を見ないユニークなテーマパーク型博物館です。