漢字の「しめすへん(礻)」と「ころもへん(衤)」は、形が非常に似ているため書き間違いやすい部首ですが、その成り立ちや意味は全く異なります。
それぞれの原点から違い、具体的な漢字まで詳しく解説します。
1. しめすへん(礻・示)
原点(成り立ち)
「しめすへん」の原形は漢字の**「示」です。これは、神様を祀るための「祭壇(さいだん)」**の形を象形化したものです。横線が祭壇の天板、下の部分が祭壇の脚や、滴り落ちるお供え物の血などを表しています。
意味
神仏、儀式、祭祀、お告げ、あるいは「幸不幸」など、宗教や精神的な事柄に関する意味を持ちます。
代表的な漢字と熟語
神(かみ):神様、精神
熟語:神社、精神
祝(いわう):神に祈って幸いを求める
熟語:祝賀、祝日
福(さいわい):神から授かる幸せ
熟語:幸福、福祉
礼(れい):儀式やマナー
熟語:礼儀、失礼
社(やしろ):土地の神を祀る場所
熟語:社会、神社
2. ころもへん(衤・衣)
原点(成り立ち)
「ころもへん」の原形は漢字の**「衣」です。これは、人間が着る「衣服」**を前から見た形(襟元を合わせて重ねた様子)を象形化したものです。
意味
衣服、布製品、包むこと、あるいは身に着けるものに関する意味を持ちます。
代表的な漢字と熟語
初(はじめ):布をハサミ(刀)で切り始める=物事の最初
熟語:初期、最初
袖(そで):衣服のうでを通す部分
熟語:半袖、長袖
複(重なる):衣服を重ねて着る
熟語:複雑、複数
補(おぎなう):破れた服を布でつくろう
熟語:補修、補足
裸(はだか):服を着ていない状態
熟語:赤裸々、裸足
3. 相違点と見分け方のコツ
最大の違いは**「点の数」**です。
| 部首 | 書き方 | 点の数 | 由来 | 意味のキーワード |
| しめすへん | 礻 | 1つ | 示(祭壇) | 神様・祈り・占い |
| ころもへん | 衤 | 2つ | 衣(衣服) | 服・布・包む |
覚え方のコツ
「神様は一人(点一つ)」
「服(ふく)は二枚(点二つ)」
このように覚えると、テストや日常の書き取りで迷うことが少なくなります。
4. 紛らわしい漢字の例
意味から考えると納得できるものが多いです。
「裸」と「福」
「裸」は服がないから「ころもへん」。
「福」は神様からの贈り物だから「しめすへん」。
「補」と「礼」
「補(補修)」は布を当てるから「ころもへん」。
「礼」は儀式だから「しめすへん」。
📋 回答のコピー
この解説がお役に立てば幸いです。
他にも「さんずい」と「にすい」など、似た部首で気になるものがあればお教えくださいね。