はい、糸魚川のような**「石一つ持ち出し禁止」**という厳しいルールは、日本全国の多くの場所で見られます。
これらは主に、「文化財保護法(天然記念物)」、「自然公園法(国立・国定公園)」、あるいは**「森林法」**などの法律に基づいています。代表的な例や、ルールの種類をいくつか挙げます。
1. 天然記念物に指定されている場所(糸魚川と同レベル)
天然記念物は、その場所全体が「動く標本」として保護されているため、石や植物の採取は厳格に禁じられています。違反すると罰金や懲役などの刑罰の対象になります。
長野県:上高地(梓川)
梓川にある石や砂利は一切持ち出し禁止です。美しい景観と生態系を守るため、非常に厳しく管理されています。
埼玉県:長瀞(ながとろ)の「岩畳」
地質学的に貴重な結晶片岩が露出しており、「地球の窓」とも呼ばれます。ここも国指定の名勝・天然記念物であり、岩石の採取は禁止です。
秋田県:玉川温泉の「北投石(ほくとうせき)」
世界でも台湾とここにしかない非常に貴重な石です。特別天然記念物に指定されており、一切の採取が禁じられています。
2. 国立公園・国定公園内(特別地域)
日本各地にある国立公園(知床、富士山、阿蘇など)の「特別地域」では、石拾いや植物の採取に環境大臣などの許可が必要です。
例:富士山の溶岩
富士山頂付近や登山道にある溶岩を持ち帰ることは、自然公園法により禁止されています。
例:鳥取砂丘の砂
砂丘の砂を持ち帰ることも制限されています。少量であっても、多くの人が行えば地形が変わってしまうためです。
3. なぜ「海岸」なら拾ってもいいのか?
糸魚川で「川はダメ、海はOK」となっているのは、以下のような理由があります。
管轄の違い: 川の「ヒスイ峡」は天然記念物の指定区域内ですが、海岸は指定区域から外れていることが多いためです。
自然の摂理: 海岸にある石は、すでに山から崩れ、川を下って流されてきた「移動中のもの」とみなされます。波で摩耗し、やがて砂になっていく過程にあるため、文化財としての「保存」よりも、観光利用が許容されやすい傾向にあります。
4. 知らずにやってしまいがちな「河川法」
天然記念物でなくても、実は日本のすべての河川(川)において、砂利や石を大量に持ち出すことは「河川法」で禁止されています。
**「手で持てる程度の数個」**であれば、一般的には黙認されることが多いですが、ダンプカーで運び出したり、販売目的で大量に採取したりするのは違法です。
一部の自治体では、河原の石を勝手に持ち帰ることを条例で禁止しているケースもあります。
まとめ
「落ちている石を拾う」という行為は、日本では**「場所がどこか」**によって法律が変わります。
天然記念物・国立公園内: 1個でも厳禁。
普通の河川: 常識の範囲内(数個)なら概ねOKだが、大量はNG。
普通の海岸: 基本的に自由(ただし、テトラポットなどの設置物はNG)。
糸魚川のように、行政が公式に「海岸での石拾い」をレジャーとして推奨しているケースは、全国的に見ても珍しく、非常にオープンで恵まれた環境だと言えます。
もし他にも「この場所で石を拾っても大丈夫かな?」と気になる場所があれば、お調べしますがいかがでしょうか?