Windows 11のパソコンで作ったプログラムがスマホで動かないのは、ごく自然なことです。理由はいくつかありますが、最も大きな違いは「OS(オペレーティングシステム)」と「CPUのアーキテクチャ」です。
OSの違い: Windowsと、スマートフォンで使われるAndroidやiOSは、全く異なるOSです。プログラムは特定のOS上で動くように作られているため、Windows用に書かれたコードは、そのままではAndroidやiOSでは動作しません。
CPUのアーキテクチャの違い: ほとんどのWindows PCは「x86-64」というアーキテクチャのCPU(IntelやAMD製)を使っています。一方、多くのスマートフォンは「ARM」というアーキテクチャのCPUを使っています。プログラムはCPUのアーキテクチャに合わせてコンパイル(変換)されるため、ここもスマホで動かない大きな要因です。
スマホでも動くようにするにはどうしたらいいか?
Windows PCのプログラムをスマホで動くようにするには、主に以下の方法が考えられます。
1. スマホアプリとして作り直す
これが最も一般的で確実な方法です。
2. クロスプラットフォーム開発フレームワークを使う
この方法なら、1つのコードで複数のOSに対応するアプリを開発できます。
Flutter (Google): Dart言語を使います。Android、iOS、Web、デスクトップアプリを1つのコードから作成できます。
React Native (Meta): JavaScriptやTypeScriptを使います。Android、iOSアプリを開発できます。
Xamarin (Microsoft): C#言語を使います。Android、iOS、Windowsアプリを開発できます。
PWA(Progressive Web App): ウェブ技術(HTML, CSS, JavaScript)で作る方法です。OSを問わずブラウザで動作するため、スマホのホーム画面に追加してアプリのように使うことも可能です。
3. Web技術(HTML、CSS、JavaScript)で作り直す
もし、作成された「らくがき帳」がGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を多用するものでなければ、Webブラウザで動くように作り直すのが手軽かもしれません。
補足:エミュレータについて
WindowsアプリをAndroid上で動かす「Winlator」のようなエミュレータも存在しますが、これはあくまで特定の環境で動作させるためのものです。全てのWindowsアプリが動くわけではなく、性能も大きく落ちることがあります。また、ユーザーにエミュレータをインストールさせる必要があり、一般的なアプリ配布方法としては現実的ではありません。
どの方法を選ぶかは、あなたの「らくがき帳」がどのような言語や技術で作られているかによります。もし可能であれば、どのプログラミング言語を使って作成されたか教えていただけると、より具体的なアドバイスができます。