坐骨神経痛は、病名ではなく、お尻から太ももの後ろ、ふくらはぎ、足先にかけて伸びる坐骨神経が圧迫されたり刺激されたりすることで起こる、痛みやしびれなどの症状の総称です。
坐骨神経痛の主な症状
- お尻から足にかけての痛み(電気が走るような、締め付けられるような、ズキズキするような痛みなど)
- 足のしびれや麻痺
- 足の裏や指先の感覚異常
- ひどい場合には、排泄障害などが起こることもあります。
80歳以上の老人の場合にかかりやすいのか?
はい、一般的に80歳以上の高齢者は坐骨神経痛にかかりやすいと言えます。その主な理由は以下の通りです。
- 加齢による脊椎の変化: 年齢を重ねると、椎間板(背骨と背骨の間にあるクッション)が変形したり、水分が失われたりして、ヘルニアを起こしやすくなります。また、脊柱管(神経が通るトンネル)が狭くなる脊柱管狭窄症も起こりやすくなります。これらの状態は坐骨神経を圧迫する原因となります。
- 変形性関節症: 関節の軟骨がすり減ることで、骨棘(骨のトゲ)ができ、神経を刺激することがあります。
- 筋力低下: 高齢になると、腰周りの筋肉が弱くなり、脊椎を支える力が低下するため、負担がかかりやすくなります。
- 基礎疾患: 高齢者には、糖尿病や血管系の疾患など、神経障害を引き起こしやすい基礎疾患を持っている方もいます。
ただし、坐骨神経痛は高齢者特有の病気ではなく、若い世代でも起こりうるものです。原因も様々で、上記以外にも、梨状筋症候群、腫瘍、感染症などが考えられます。
もし坐骨神経痛のような症状が現れた場合は、自己判断せずに整形外科を受診することが大切です。 医師が症状や状態を詳しく確認し、適切な診断と治療を行ってくれます。高齢者の場合は、特に他の病気が隠れている可能性もあるため、早めの受診をおすすめします。