2023年10月21日土曜日

水道水にPFASが含まれていて問題となっているところはどこですか?

 2023年10月21日現在、水道水にPFASが含まれていて問題となっているところは、日本国内では以下のとおりです。

  • 東京都多摩地域:米軍横田基地周辺の地下水からPFASが検出され、それが水道の水源としても利用されていたため、国分寺市、国立市、立川市、調布市、狛江市、府中市、稲城市の7市でPFASによる汚染が確認されています。
  • 沖縄県:米軍嘉手納基地周辺の地下水からPFASが検出され、それが水道の水源としても利用されていたため、嘉手納市、北谷町、宜野湾市の3市でPFASによる汚染が確認されています。
  • 大阪府摂津市:以前PFASの製造や使用をしていたメーカーの工場があったため、摂津市の一部でPFASによる汚染が確認されています。

これらの地域では、水道水に含まれるPFASの濃度が国の暫定目標値(PFOSとPFOAの合計で50ng/L)を超えている場合があり、住民への健康影響が懸念されています。

また、これらの地域以外でも、PFASによる汚染が確認されている可能性は十分にあります。PFASは水や油を弾く性質があり、生活用品や工業製品に広く使われてきたため、地下水や河川などに広く拡散していると考えられています。

したがって、水道水に含まれるPFASの濃度を定期的に監視し、必要に応じて対策を講じることが重要です。

PFASとは

 PFASとは、Per- and polyfluoroalkyl substancesの略で、パーフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物の総称です。PFASは、炭素とフッ素の結合が含まれる化学物質で、水や油をはじく、熱に強い、汚れを防止するなどの性質を持っています。

PFASは、消火剤、防水加工、フッ素加工食品などに幅広く使用されています。しかし、PFASは環境中に残留しやすく、人体や環境への影響が懸念されています。

PFASの人体への影響としては、発がん性、生殖毒性、内分泌かく乱作用などが指摘されています。また、PFASは母乳や血液中に検出されており、胎児や乳児への影響も懸念されています。

PFASの環境への影響としては、水や土壌の汚染、生物への影響などが指摘されています。PFASは、水に溶けにくいため、地下水や土壌に蓄積され、生物の体内に蓄積される可能性があります。

PFASは、世界中で規制が強化されています。日本では、2022年4月から、PFASを原料とする消火剤の製造や販売が禁止されました。

PFASの具体的な使用用途としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 消火剤:泡消火剤や粉末消火剤に使用されます。
  • 防水加工:衣類、カーペット、家電製品などに使用されます。
  • フッ素加工食品:食品の保存や加工に使用されます。
  • 化粧品:皮膚保護や防水効果を高めるために使用されます。
  • 工業製品:金属加工や塗料などに使用されます。

PFASは、私たちの生活に身近な化学物質ですが、人体や環境への影響が懸念されているため、使用を控えることが重要です。