読書を「知力を高める読書」と「面白い読書」の2種類に分け、それぞれを別々に考える（目的を分ける）というアプローチは、非常に理にかなっており、読書の効率と満足度を高めるための有効な戦略と言えます。
それぞれの読書の目的と効果、そして区別するメリットについて解説します。
🧠 1. 知力を高める読書（学習・成長志向）
目的
知識やスキルの習得
思考力、論理力、語彙力の向上
専門分野や教養の体系的な理解
対象となる本
専門書、学術書、ビジネス書
古典文学、哲学書、歴史書
難解な小説や評論
特徴と取り組み方
この読書は、しばしば苦痛や努力を伴います。知力を高めるには、受動的に読むだけでなく、能動的な姿勢が求められます。
精読と反復: 難しい箇所は立ち止まって考えたり、メモを取ったり、場合によっては何度も読み返すことが必要です。
遅いペース: 面白さやスピードよりも、理解度と定着を最優先にするため、読む速度は遅くなります。
目的意識: 「この本から何を得たいか」という明確な学習目標を持って取り組みます。
🥳 2. 面白い読書（娯楽・リフレッシュ志向）
目的
純粋な娯楽とリフレッシュ
ストレス解消と感情の充足
想像力や共感力の刺激
読書そのものの習慣化
対象となる本
エンターテイメント小説（ミステリ、SF、ファンタジーなど）
ライトノベル、コミック
趣味や関心のある分野の読みやすいエッセイや雑誌
特徴と取り組み方
この読書は、楽しむことが最優先です。
速読と多読: 面白さの流れに乗って、あまり深く考えず、速いペースで読み進めます。
気楽さ: 疲れたときや気分転換に使え、読めないことへの罪悪感を感じる必要がありません。
習慣化の土台: 読書が楽しい行為になるため、読書習慣を維持・定着させる土台となります。
🎯 目的を別々に考えるメリット
これら2種類の読書を明確に区別して取り組むことには、以下のような大きなメリットがあります。
1. 挫折の防止と習慣の維持
知力を高めるための読書（例：難しい古典）だけに取り組むと、すぐに疲れてしまい、読書そのものが**「辛い作業」**になってしまいがちです。
👉 面白い読書を「ご褒美」や「息抜き」として組み込むことで、読書へのモチベーションを維持しやすくなります。
2. 読書効率の向上
「この本は知恵を増やすためのもの」「この本はただ楽しむためのもの」と目的を明確にすることで、本の読み方（精読か速読か、メモを取るか否か）を最適化できます。
👉 目的が混ざると、娯楽本を深読みしすぎたり、学習本を流し読みしすぎたりして、どちらも中途半端になるのを防げます。
3. 時間配分の最適化
自分のエネルギーレベルや利用可能な時間に合わせて、どの種類の読書に時間を使うかを意図的に選べます。
👉 疲れている夜は面白い本でリラックスし、集中力のある朝は知的な本で頭を使う、といったメリハリのある使い分けが可能になります。
結論
読書は知性も娯楽も満たす行為ですが、目的を意識的に分けることで、それぞれの効果を最大化できます。
この考え方は、読書を**「義務」ではなく「戦略的な自己投資」または「上質な娯楽」**として捉え、より長く、より豊かに読書を楽しむための非常に実践的な方法です。
「今日はどちらの読書をしたいか？」を意識して、本を選ぶことから始めてみましょう。
