老人会の皆様にとって、身近で実践しやすい「認知症予防 10ヶ条」ですね。厚生労働省やWHOのガイドラインで推奨されている「認知症予防の柱」を盛り込みながら、具体的な行動に落とし込んで解説します。
認知症予防 10ヶ条 ~いきいき脳活で毎日を豊かに~
皆さん、こんにちは!本日は「認知症予防 10ヶ条」と題して、日々の生活に取り入れられる脳を元気にするヒントをお話しします。どれか一つでも、いや二つ三つと、今日から始めていただければ、必ずや皆さんの生活がより豊かになるはずです。
第1条:バランスの良い食事で脳に栄養を!
具体例:
- 「まごわやさしい」 食材を意識しましょう。
- ま:豆類(納豆、豆腐、味噌など)
- ご:ごま(ナッツ類も含む)
- わ:わかめ(海藻類全般)
- や:野菜(緑黄色野菜を中心にたっぷり)
- さ:魚(特に青魚:DHAやEPAが豊富)
- し:しいたけ(きのこ類全般)
- い:いも類
- **青魚(サンマ、アジ、イワシ、サバなど)**を積極的に摂りましょう。DHAやEPAは脳の神経細胞を活性化させ、記憶力や判断力の向上に役立つと言われています。
- 野菜や果物は、抗酸化作用のあるビタミンC・E、葉酸が豊富で、脳の老化を防ぐ効果が期待できます。色々な色の野菜をバランス良く摂りましょう。
- 糖質や動物性脂肪、塩分の摂りすぎには注意しましょう。これらは生活習慣病(高血圧、糖尿病など)のリスクを高め、間接的に認知症のリスクにもつながります。
なぜ予防になるの?
脳も体の一部。適切な栄養が供給されることで、脳細胞が活性化し、機能維持に役立ちます。特に、DHAやEPAは脳細胞の構成成分であり、抗酸化作用のある食品は脳の酸化ストレスを軽減します。
第2条:適度な運動で脳と体を活性化!
具体例:
- ウォーキング:毎日30分程度、少し早歩きを意識して歩きましょう。景色を楽しみながら、歌を歌いながら、しりとりをしながらなど、工夫すると脳にも良い刺激になります。
- 「ながら運動」:テレビを見ながら、歯磨きをしながら、かかと上げ運動やスクワットなど、手軽にできる運動を取り入れましょう。
- コグニサイズ:国立長寿医療研究センターが推奨する、認知課題(コグニション)と運動(エクササイズ)を組み合わせた運動です。例えば、しりとりをしながらウォーキング、計算をしながら足踏みなど、頭と体を同時に使うことで、より脳を活性化させます。
- ラジオ体操や自治体の健康体操教室に参加するのも良いでしょう。
なぜ予防になるの?
運動は脳の血流を良くし、神経細胞の成長を促進します。また、生活習慣病の予防にもなり、転倒による頭部外傷のリスクも減らします。運動することで気分もリフレッシュされ、ストレス軽減にもつながります。
第3条:脳を刺激する「脳活」習慣を!
具体例:
- 新しいことに挑戦する:今までやったことのない趣味(楽器、絵画、習字、園芸など)を始める。
- 指先を使う活動:編み物、パズル、折り紙、将棋、囲碁など、指先を使うことは脳の活性化に直結します。
- 読み書き計算:新聞の論説を声に出して読む、日記をつける、家計簿をつける、簡単な計算をするなど。
- 脳トレゲーム:クロスワードパズル、数独、間違い探しなど。最近はスマホやタブレットのアプリもたくさんあります。
- 料理や買い物:献立を考えたり、予算内で食材を選んだり、計算したりすることは立派な脳トレです。
なぜ予防になるの?
脳は使えば使うほど活性化し、新しい神経回路が作られます。特に「新しいこと」に挑戦することは、脳に良い刺激を与えます。
第4条:人との交流を積極的に!
具体例:
- 地域活動に参加する:老人会、ボランティア活動、趣味のサークル、健康教室など、地域のイベントに顔を出してみましょう。
- 家族や友人と積極的に会話する:電話だけでなく、実際に会って話す機会を増やしましょう。
- 役割を持つ:町内会や自治会の役員、地域の子どもたちの見守りなど、何か役割を担うことで、社会とのつながりを感じられます。
- 行きつけのお店を作る:お店の人と挨拶を交わすだけでも、立派なコミュニケーションです。
なぜ予防になるの?
孤独は認知症のリスクを高めると言われています。人との交流は、会話による脳の活性化だけでなく、社会的なつながりを感じることで精神的な健康も保たれます。
第5条:十分な睡眠で脳を休ませる!
具体例:
- 規則正しい睡眠リズム:毎日決まった時間に起床し、朝日を浴びるようにしましょう。
- 適切な睡眠時間:個人差はありますが、7~8時間程度の睡眠が理想とされています。
- 寝室環境を整える:快適な温度・湿度、静かで暗い環境を心がけましょう。
- 就寝前の習慣:寝る直前のスマートフォンやテレビ、カフェイン、アルコールは控えましょう。
- 短い昼寝はOK:午後の早い時間に30分以内の昼寝は、疲労回復に効果的です。ただし、長すぎると夜の睡眠に影響が出ます。
なぜ予防になるの?
睡眠中には、脳の老廃物(アミロイドβなど)が洗い流され、脳細胞が修復される重要な時間です。質の良い睡眠は、脳の健康を保つために不可欠です。
第6条:生活習慣病をしっかり管理!
具体例:
- 定期的な健康診断を受ける。
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症などの持病がある方は、医師の指示に従い、きちんと治療を継続しましょう。
- 適正体重を維持するために、食事と運動に気を配りましょう。
なぜ予防になるの?
生活習慣病は、脳の血管を傷つけ、脳の血流を悪くする原因となります。脳への血流が悪くなると、認知機能が低下するリスクが高まります。
第7条:喫煙と過度の飲酒は控える!
具体例:
- 禁煙:喫煙は認知症のリスクを大幅に高めます。今からでも遅くありません、禁煙を始めましょう。
- 節度ある飲酒:少量(ビールなら350ml缶1本程度)の飲酒はリラックス効果があるかもしれませんが、飲酒量が増えるほど認知症のリスクが高まります。飲酒は週に数日休肝日を設けるなど、適量を心がけましょう。
なぜ予防になるの?
喫煙は血管を傷つけ、脳への血流を悪くします。過度の飲酒は脳に直接的なダメージを与える可能性があります。
第8条:ストレスをためこまない!
具体例:
- 趣味に没頭する:好きなことに時間を使い、気分転換を図りましょう。
- リラックス法を実践する:深呼吸、瞑想、軽いストレッチ、アロマテラピーなど、自分に合った方法を見つけましょう。
- 悩みを抱え込まない:信頼できる家族や友人に相談したり、地域の相談窓口を利用したりすることも大切です。
- 自然に触れる:散歩に出かけたり、ガーデニングをしたり、自然の中で過ごす時間を作りましょう。
なぜ予防になるの?
慢性的なストレスは、脳に悪影響を及ぼし、認知機能低下につながる可能性があります。心穏やかに過ごすことも、脳の健康には重要です。
第9条:転倒に気をつけ、頭部外傷を防ぐ!
具体例:
- 家の中の整理整頓:段差をなくす、滑りやすいマットを敷かない、電気コードをまとめるなど、転倒の原因となるものを取り除きましょう。
- 筋力トレーニング:足腰を鍛える運動を取り入れ、転倒しにくい体を作りましょう。
- 視力や聴力のチェック:定期的に検診を受け、必要であれば眼鏡や補聴器を使用しましょう。
- 手すりなどを活用:階段や浴室など、必要な場所には手すりを設置しましょう。
なぜ予防になるの?
頭部外傷は、認知症のリスクを高めることが知られています。特に高齢者にとって転倒は大きなリスクとなるため、予防策を講じることが重要です。
第10条:好奇心を持って毎日を楽しむ!
具体例:
- 新しい情報に触れる:新聞や本を読む、テレビのニュースを見る、インターネットを活用するなど。
- 目的を持って生活する:旅行の計画を立てる、誰かのために何かをする、新しい目標を設定するなど。
- おしゃれをする:身だしなみを整え、若々しい気持ちで過ごしましょう。
- 感謝の気持ちを持つ:周りの人や物事に感謝する気持ちを持つことで、心が豊かになります。
なぜ予防になるの?
生きがいや目的を持って生活することは、脳に良い刺激を与え、精神的な活性化を促します。前向きな気持ちで過ごすことが、認知症予防につながります。
まとめ
認知症予防は、特別なことばかりではありません。日々の生活の中で、少しずつ意識を変え、できることから実践していくことが大切です。今日お話しした10ヶ条を参考に、皆さんの「いきいき脳活」を始めてみませんか? 毎日を笑顔で、そして元気に過ごせるよう、一緒に頑張りましょう!
この内容を基に、老人会の皆様の反応を見ながら、より詳しく説明したり、質問を受け付けたりすると良いでしょう。体操などを少し取り入れるのも喜ばれるかもしれません。
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