京都(上方)版のいろはかるたを一覧にまとめました。江戸版と比較すると、より仏教的な教えや、当時の京都・大坂の風習を反映したことわざが多く含まれているのが特徴です。
京都(上方)版いろはかるた一覧
| 文字 | ことわざ | 意味の概要 |
| い | 一寸先は闇 | 未来のことは一寸先のことですら予測できない。 |
| ろ | 論語読みの論語知らず | 知識として知ってはいても、実行が伴わないこと。 |
| は | 箸より重いもの持ったことがない | 苦労知らずで育った、非常に裕福な育ちの例え。 |
| に | 二階から目薬 | 物事が思うようにいかず、もどかしいこと。 |
| ほ | 仏の顔も三度 | どんなに慈悲深い人でも、何度も無礼をされれば怒る。 |
| へ | 下手の長談義 | 話が下手な人ほど、だらだらと長話をすること。 |
| と | 豆腐に鎹(かすがい) | 手応えや手応えが全くないことの例え。 |
| ち | 知恵ある者は身を食う | 才能があるがゆえに、かえって災難を招き身を滅ぼす。 |
| り | 律義者の子沢山 | 誠実な人は家庭を大切にするので、子供が多く授かる。 |
| ぬ | 糠に釘 | 何の効き目も手応えもないこと。 |
| る | 留守に見舞う | 相手がいない時に訪問する。間が悪いことの例え。 |
| を | をこ(愚か)な者に意見する | 愚かな者に意見を言っても無駄である。 |
| わ | わらじを履いてから足を洗う | 物事の順序が逆になっていること。 |
| か | かったい(癩)の瘡(かさ)恨み | 自分も欠点があるのに、他人の似た欠点を恨む。 |
| よ | 横槌(よこづち)で坊主を打つ | まともに相手をせず、乱暴にあしらうこと。 |
| た | 立て板に水 | 話し方がよどみなく、滑らかであること。 |
| れ | 連理の枝 | 夫婦の情愛が極めて深いこと。 |
| そ | 地獄の沙汰も金次第 | 世の中のことは、何事もお金で解決できる。 |
| つ | 月とすっぽん | 比較にならないほど、二つの差が激しいこと。 |
| ね | 猫に小判 | 価値のわからない者に、貴重なものを与えても無駄。 |
| な | 習わぬ経は読めぬ | 練習や経験のないことは、いざという時にできない。 |
| ら | 来年の事を言えば鬼が笑う | 先のことは予測不能で、あれこれ言っても無意味。 |
| む | むま(馬)の耳に風 | 他人の意見や批判を全く聞き流すこと。 |
| う | 氏より育ち | 家柄よりも、育てられ方や教育の方が大切である。 |
| ゐ | 鰯の頭も信心から | どんなつまらない物でも、信じれば尊く見える。 |
| の | 喉元過ぎれば熱さを忘れる | 苦しみが過ぎれば、その時の苦労や恩を忘れる。 |
| お | 負うた子に教えられて浅瀬を渡る | 時には自分より未熟な者に教えられることもある。 |
| く | 臭いものに蓋をする | 不都合なことを、一時的に隠して知られないようにする。 |
| や | 闇に鉄砲 | 当たるかどうかわからない、あてずっぽうな行動。 |
| ま | 待てば海路の日和あり | 焦らずに待っていれば、良い機会がやってくる。 |
| け | 下駄を履くまでわからない | 最後まで結果はどうなるか判断できない。 |
| ふ | 武士は食わねど高楊枝 | 貧しくても志を高く持ち、誇りを失わない。 |
| こ | 後悔先に立たず | 済んでしまった後で悔やんでも、取り返しがつかない。 |
| え | 得手に帆を揚げる | 追い風(チャンス)に乗り、得意分野で活躍する。 |
| て | 寺から出る経 | 専門のところから出た話なら、間違いない。 |
| あ | 阿弥陀の光も金次第 | 仏の慈悲ですら、お布施の額で決まる。 |
| さ | 竿の先に鈴 | おしゃべりなこと。または騒がしいことの例え。 |
| き | 聞いて極楽見て地獄 | 話に聞くのと実際に見るのでは、大きな違いがある。 |
| ゆ | 幽霊の浜風 | 実体のないもの、頼りないことの例え。 |
| め | 盲(めくら)の垣覗き | 無駄な努力をすること。 |
| み | 身から出た錆 | 自分の悪い行いによって、自分自身が苦しむこと。 |
| し | 釈迦に説法 | 自分よりもよく知っている人に教える愚かさ。 |
| ゑ | 縁の下の舞 | 誰も見ていないところで努力すること。 |
| ひ | 貧乏暇なし | 貧しいので、働いてばかりで休む暇がない。 |
| も | 門前の小僧習わぬ経を読む | 環境に影響され、自然と知識が身につくこと。 |
| せ | せん(千)栗柿三八年 | 桃栗三年柿八年。物事の成就には時間がかかる。 |
| す | 雀百まで踊り忘れぬ | 幼い頃に身についた習慣は、死ぬまで変わらない。 |
| 京 | 京に田舎あり | 都会の中にも、田舎のような静かな場所がある。 |
江戸版が「犬も歩けば…」と実利や風刺から始まるのに対し、京都版は「一寸先は闇」という無常観から始まるのが興味深い違いです。
📋 この回答をコピーする
0 件のコメント:
コメントを投稿