2024年1月21日日曜日

絶対的貧困と相対的貧困についてその国際的な定義はなんですか

 絶対的貧困とは、衣食住などの生きる上で必要最低限の生活水準が満たされていない状況のことを指します。具体的には、世界銀行が定める「1日1.90ドル未満で生活する人」を絶対的貧困者と定義しています。この基準は、食料、衣類、住居、教育、医療などの最低限の生活に必要な費用を満たすための金額として設定されています。

一方、相対的貧困とは、ある地域社会の大多数よりも貧しい状態を指します。具体的には、世帯の所得がその国の等価可処分所得の中央値の半分(貧困線)に満たない状態のことを言います。この基準は、その国の平均的な生活水準を基準として、その水準に達していない人々を相対的貧困者と定義しています。

絶対的貧困は、その国や地域の経済発展や社会保障制度によっても影響を受けるため、その基準は時代や地域によって変化します。一方、相対的貧困は、その国の平均的な生活水準によって影響を受けるため、その基準は比較的安定しています。

2023年の世界銀行の報告によると、世界全体の絶対的貧困率は9.2%で、2015年の10.1%から減少しています。しかし、依然として約7.6億人が絶対的貧困の中で生活しており、このうち約3.6億人がアフリカ大陸に居住しています。

また、日本などの先進国では、絶対的貧困はほとんど見られませんが、相対的貧困は依然として問題となっています。日本では、2020年の相対的貧困率は13.5%で、2015年の14.3%から減少しています。しかし、依然として約620万人が相対的貧困の中で生活しており、このうち約120万人が子どもです。

絶対的貧困と相対的貧困は、いずれも貧困の重要な指標であり、その削減に向けた取り組みは、国際社会における重要な課題となっています。

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