W3C(ダブリュースリーシー)は、ウェブサイトやインターネットをみんながもっと便利に、スムーズに使えるようにするための「国際的なルール決め団体」です。
正式名称は World Wide Web Consortium(ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム) といいます。ちょっと長い名前ですが、「ウェブに関する世界的な協力団体」という意味合いです。
なぜW3Cが必要なの?
例え話で考えてみましょう。
もし世界中の車が、それぞれ違うルールで走っていたらどうなるでしょう?
ある国では右側通行、別の国では左側通行。信号の色もバラバラ。
そうすると、国をまたいで車を運転するのが大変になりますし、事故も増えてしまいますよね。
インターネットの世界も同じです。
もしウェブサイトを作るルールがバラバラだったら、こんな困ったことが起こります。
- 「あの人のパソコンでは見られるのに、私のスマホではおかしい」:ブラウザやデバイスによってウェブサイトの表示がバラバラになってしまいます。
- 「新しい技術を使っても、古いブラウザでは動かない」:新しい便利な機能が出てきても、すべての人が使えるわけではありません。
- 「目の不自由な人がウェブサイトを使えない」:ウェブサイトを作る側が、みんなが使えるように配慮するルールがないと、特定の人にとって使いにくいものになってしまいます。
そこで、W3Cが登場します。
W3Cの役割は?
W3Cの主な役割は、「ウェブに関する統一されたルール(=標準規格)を決めること」 です。
具体的には、以下のようなことをしています。
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ウェブの基礎となる技術のルールを作る
- HTML(ウェブページの構造を作る言語):見出しはこう書く、画像はこう置く、といったルール。
- CSS(ウェブページのデザインを決める言語):文字の色はこう変える、背景はこうする、といったルール。
- その他、インターネット上でデータをやり取りする方法(XMLなど)のルールも決めています。
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誰でもウェブを使えるようにする(アクセシビリティ)
- 高齢者や障がいのある方(視覚障がい、聴覚障がいなど)もウェブサイトをスムーズに利用できるようにするためのルール作りにも力を入れています。例えば、読み上げソフトに対応したウェブサイトの作り方などです。
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ウェブの新しい技術や方向性を話し合う
- 「これからのウェブはどうあるべきか?」「こんな新しい技術が必要だね」といったことを、世界中のIT企業、大学、専門家などが集まって話し合い、未来のウェブの方向性を決めています。
W3Cのルールに従うと、どんないいことがあるの?
W3Cが作ったルール(これを「W3C勧告」と呼びます)に従ってウェブサイトを作ると、以下のようなメリットがあります。
- どのブラウザやデバイスでも見やすい:Google ChromeでもSafariでも、パソコンでもスマホでも、ウェブサイトが正しく表示されやすくなります。
- 検索エンジンに優しい:Googleなどの検索エンジンが、ウェブサイトの内容を正しく理解しやすくなるため、検索結果で上位に表示されやすくなる可能性があります。
- メンテナンスしやすい:ルールに従って作られているので、後から修正したり、新しい機能を追加したりするのが楽になります。
- 誰にとっても使いやすい:アクセシビリティのルールも考慮されるので、より多くの人がウェブサイトを利用できるようになります。
まとめ
W3Cは、インターネットの世界が「みんなにとって公平で、便利で、誰でも使える場所」になるように、日々、ウェブの技術のルールを作り、発展させている、とても大切な団体なのです。私たちが普段何気なくウェブサイトを見たり使ったりできるのは、W3Cが定めた標準規格のおかげと言っても過言ではありません。
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