「W3C」と「W3Schools」は、名前が似ていて少しややこしいですが、実は別の団体です。しかし、ウェブ技術を学ぶ上でどちらも非常に重要な役割を果たしています。
W3C (World Wide Web Consortium) について
これは前回の説明で触れた通り、ウェブの「国際的なルール決め団体」です。
ウェブページを作るための基本的な技術(HTML、CSSなど)の**標準規格(ルール)**を定めています。このルールは、世界中のウェブ開発者やブラウザが共通して使えるようにするために作られています。
- 役割: ウェブのルールブックを作る、標準化する。
- 例えるなら: 道路交通法を作る国会や政府のような存在。
W3Schools (W3Schools.com) について
W3Schoolsは、ウェブ技術を学ぶための非常に人気のあるオンライン学習サイトです。
「W3C」の「W3」にちなんでいますが、W3Cが直接運営しているわけではありません。ノルウェーのRefsnes Dataという会社が運営しています。
- 役割: ウェブの技術を分かりやすく教える、実践的な学習リソースを提供する。
- 例えるなら: 道路交通法を分かりやすく解説してくれる教習所や参考書のような存在。
W3Schoolsの特徴と、なぜ初心者におすすめなのか
W3Schoolsは、ウェブ開発を始めたい初心者にとって、非常に優れた学習リソースです。その理由は以下の通りです。
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非常に広範なトピックをカバー:
HTML、CSS、JavaScriptといったウェブの基本から、Python、SQL、PHPなどのサーバーサイド言語、さらにはBootstrapやReactなどのフレームワークまで、ウェブ開発に必要なあらゆる技術のチュートリアルが揃っています。
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分かりやすい解説とコード例:
各トピックは、簡潔で分かりやすい言葉で説明されています。専門用語も多いウェブ開発ですが、初心者でも理解しやすいように配慮されています。
そして、何よりも豊富なコード例が特徴です。
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「Try it Yourself」エディタ:
これがW3Schoolsの最大の魅力の一つです。ほとんどのコード例には、「Try it Yourself」というボタンが付いています。これをクリックすると、ウェブブラウザ上で直接コードを編集し、その場で結果を確認できるエディタが開きます。
これにより、自分で環境を構築する手間なく、すぐにコードを試して、どのように動作するかを体験できます。これは、学習のモチベーションを保ち、理解を深める上で非常に有効です。
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無料であること:
W3Schoolsの基本的な学習コンテンツはすべて無料で利用できます。
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実践的で網羅的:
単に文法を説明するだけでなく、実際のウェブサイトでどのように使われるかを示す例が多く、実践的なスキルが身につきます。また、膨大なリファレンス(参照情報)も充実しており、困ったときにすぐに調べることができます。
まとめ
- W3C は、ウェブのルール(標準規格)を作る団体。
- W3Schools は、そのルールやその他のウェブ技術を学ぶためのウェブサイト。
ウェブ開発を始める初心者が「HTMLって何?」「CSSってどうやって使うの?」と思ったときに、W3Schoolsは「Try it Yourself」機能もあって、すぐに手を動かしながら学べる、非常に頼りになる場所です。
もちろん、W3Cが定める「正しいルール」を学ぶためにも、W3Schoolsは非常に役立ちます。W3Schoolsで学んだ知識は、W3Cの標準に準拠したウェブサイトを作るための基礎となるでしょう。
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