2025年7月7日月曜日

行政におけるDMOとは

 今日の日本の行政におけるDMOとは、主に観光地域づくりを推進する組織のことを指します。

DMOは「Destination Management Organization(デスティネーション・マネジメント・オーガニゼーション)」または「Destination Marketing Organization(デスティネーション・マーケティング・オーガニゼーション)」の略で、地域全体の観光を戦略的にマネジメントし、観光客誘致や消費拡大、ひいては地域経済の活性化を目指す役割を担っています。

日本の観光庁が2015年にDMOの登録制度を導入して以来、全国各地でDMOが設立され、行政と連携しながら活動しています。

今日の日本の行政におけるDMOの主な特徴と役割:

  • 観光地域づくりの司令塔機能: これまでの観光協会などが単独で行っていた広報活動だけでなく、地域の多様な観光関係者(宿泊施設、交通機関、飲食店、土産物店、体験プログラム提供者など)を束ね、一体となって観光地域づくりを進める「司令塔」としての役割が期待されています。

  • 戦略的な観光振興: データに基づいた分析を行い、地域の強みや課題を明確にし、ターゲットを定めた戦略的なマーケティングやプロモーションを展開します。

  • 多様な関係者との連携: 地方公共団体(都道府県、市町村)だけでなく、観光事業者、住民、教育機関など、地域のあらゆる関係者と連携し、協力体制を構築します。

  • 財源の確保と自立性: 公的資金だけでなく、会員からの会費収入や事業収入など、多様な財源を確保し、持続可能な運営を目指すことが求められています。

  • 質の高い観光地づくり: 宿泊施設や交通インフラの改善、多言語対応の推進、観光客の受け入れ環境整備など、観光地の質を高めるための取り組みも行います。

  • デジタル技術の活用: デスティネーション・マネジメント・システム(DMS)のようなITプラットフォームを活用し、情報の一元管理や効果的な情報発信、データ分析などを行うことが重視されています。

  • 地域の課題解決への貢献: 観光振興を通じて、人口減少や高齢化、地域経済の停滞といった地域の社会課題の解決にも貢献することが期待されています。

行政としては、DMOを通じて、地域の観光資源を最大限に活用し、訪日外国人観光客の地方誘致を促進することで、地域活性化を図ろうとしています。一方で、DMOの概念がまだ新しいこともあり、地域での理解浸透や運営体制の強化、自立的な運営の実現などが今後の課題となっています。

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