割戻し計算とは、課税期間中の課税売上高(税込)と課税仕入高(税込)を税率ごとに集計し、所定の消費税率を掛けることにより、「売上に対する消費税額(売上税額)」と「仕入に対する消費税額(仕入税額)」を計算する方法です。
概要
- 消費税額の計算方法の一つ。
- インボイス制度導入前は原則としてこの方法が用いられていた。
- 2023年10月1日より、適格請求書発行事業者となった事業者は、売上税額の計算方法として「積み上げ計算」を選択できるようになった。
- 仕入税額の計算方法は、売上税額の計算方法に関係なく、原則として「割戻し計算」となる。
メリット
- 計算が比較的簡単。
- 端数処理が不要。
デメリット
- 売上税額と仕入税額の相殺ができない。
- 課税仕入税額控除の適用を受けるためには、すべての課税仕入税額を帳簿に記載する必要がある。
計算方法
- 課税期間中の課税売上高(税込)と課税仕入高(税込)を税率ごとに集計する。
- 集計した金額に、それぞれの税率を掛ける。
例
- 課税売上高(税込):100万円(うち、10%課税:80万円、8%課税:20万円)
- 課税仕入高(税込):90万円(うち、10%課税:70万円、8%課税:20万円)
売上税額
- 10%課税:80万円 × 10/110 = 72,727円
- 8%課税:20万円 × 8/108 = 14,815円
仕入税額
- 10%課税:70万円 × 10/110 = 63,636円
- 8%課税:20万円 × 8/108 = 14,815円
参考資料
- 国税庁:消費税額の計算方法(割戻し計算・積上げ計算)について: [無効な URL を削除しました]
- freee ヘルプセンター:消費税額の計算方法(割戻し計算・積上げ計算)について: [無効な URL を削除しました]
その他
- 割戻し計算は、課税期間中のすべての取引を対象とするため、正確な計算を行うためには、取引を正確に記録することが重要です。
- 課税期間中に税率の変更があった場合は、それぞれの税率ごとに計算する必要があります。
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