Excelの列の幅と行の高さの数字は、それぞれ異なる単位と意味を持っています。これが、両方に同じ数字を入力しても見た目のサイズが大きく異なる原因でもあります。
1. 列の幅が示す数字の意味
列の幅の数字は、標準フォントの半角文字が何文字分入るかを表しています。
単位: 文字数(正確には、標準フォントの半角数字「0」の文字幅を基準としています)。
初期値: 通常、新しいブックの標準フォント(例: 游ゴシック、サイズ11ポイント)では、列の幅の初期値は 8.38 です。これは、その列に半角数字の「0」が8.38文字分入る広さであることを意味します。
表示: 列の境界線をドラッグして調整する際にも、この数字と、括弧内にピクセル数で表示されます。
なぜこの単位なのか?
Excelは表計算ソフトであり、データを整理して表示することが主な目的です。そのため、視覚的に「何文字くらい入るか」という目安が分かりやすいように、文字数を基準とした単位が採用されています。
2. 行の高さが示す数字の意味
行の高さの数字は、ポイント (pt) という単位で表されます。
単位: ポイント (pt)
ポイントとは? 1ポイントは1/72インチ(約0.35mm)に相当します。フォントサイズと同じ単位です。
初期値: 通常、新しいブックの行の高さの初期値は 18〜20ポイント前後 です(フォントやExcelのバージョンによって多少異なります)。これは、デフォルトのフォントサイズ(11ポイントなど)の文字が適切に表示されるように設定されています。
表示: 行の境界線をドラッグして調整する際にも、この数字と、括弧内にピクセル数で表示されます。
なぜこの単位なのか?
行の高さは、その行に入力される文字のフォントサイズに密接に関連します。フォントサイズが大きくなれば、それに応じて行の高さも大きくしないと文字が収まらなくなります。そのため、フォントと同じ「ポイント」という単位が採用されています。
まとめと補足
列の幅: 半角文字数(標準フォント基準)
行の高さ: ポイント()
ピクセル表示について:
列の幅や行の高さのダイアログ、または境界線をドラッグしている時に、括弧内に「ピクセル」という数字が表示されます。これは、画面上の物理的な画素数に基づいたサイズで、実際の表示サイズを知る上でより具体的な情報となります。異なる解像度のモニターでExcelを表示した場合、同じ列幅や行の高さの「文字数」や「ポイント」の数値でも、ピクセル数は変わる可能性がありますが、Excelはそれらを調整して、ユーザーが設定した「文字数」や「ポイント」になるように表示を試みます。
センチメートル/ミリメートル表示への切り替え:
Excelの標準ビューでは上記のような単位ですが、「表示」タブの「ブックの表示」グループにある「ページレイアウト」表示に切り替えると、列の幅や行の高さをセンチメートルやミリメートル単位で設定・確認できるようになります。これは、印刷時のレイアウトを細かく調整したい場合に非常に便利です。
このように、Excelは目的や利用シーンに応じて、列と行の単位を使い分けているため、数字の示す意味が異なるのです。
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