起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation:OD)は、自律神経系の機能異常により、立ち上がった際に血圧が適切に調節されず、様々な症状を引き起こす病気です。
特徴
- 思春期(10~16歳)に発症しやすい
- 午前中に症状が強く、午後には軽減する傾向がある
- 立ち上がると症状が悪化し、横になると楽になる
- 雨の日など気圧変化の影響を受けやすい
症状
- 立ちくらみ、めまい
- 朝の起床困難
- 頭痛、倦怠感
- 吐き気、腹痛
- 動悸、息切れ
- 食欲不振
- 失神
原因
明確な原因はまだ解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています。
- 自律神経系の発達の遅れ
- 遺伝的要因
- ストレス
- 生活習慣の乱れ
診断
起立性調節障害の診断には、以下の検査が行われます。
- 起立試験:血圧と脈拍の変動を測定する
- 血液検査、尿検査:他の病気を除外する
- 心電図検査:心臓の異常を調べる
治療
起立性調節障害の治療は、薬物療法と非薬物療法を組み合わせで行います。
薬物療法
- 血管収縮薬:血圧を上げる
- 昇圧剤:血圧を上げる
- 抗不安薬:不安や緊張を和らげる
非薬物療法
- 生活習慣の改善:
- 十分な睡眠時間を確保する
- バランスの取れた食事を摂る
- 適度な運動をする
- 規則正しい生活を送る
- 水分補給:脱水症状を防ぐ
- 塩分摂取:血圧を上げる
- 弾性ストッキング:下肢の血流を改善する
- 自律訓練法:リラックス効果を高める
予後
起立性調節障害は、適切な治療を受けることで症状が改善することが多いです。しかし、症状が長引いたり、再発したりすることもあります。
その他
起立性調節障害は、学校生活に支障をきたすことがあります。学校や家族と連携し、適切なサポートを受けることが大切です。
関連情報
- 一般社団法人 小児心身医学会:
https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/%E8%B5%B7%E7%AB%8B%E6%80%A7%E8%AA%BF%E7%AF%80%E9%9A%9C%E5%AE%B3/ - 大正健康ナビ:
https://www.taisho-kenko.com/disease/611/
注意点
この情報は一般的なものであり、個々の患者さんの状態に合わせたものではありません。必ず医師の診断を受け、指示に従ってください。
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