近鉄てくてくマップの「伊勢参宮 本街道」のうち、「奈良町から帯解寺コース」は、かつて伊勢神宮へ向かう参宮者が利用した歴史ある街道の一部を辿るコースです。
コースの概要
このコースは、奈良市内の「ならまち」を起点とし、南へ進んで「帯解寺(おびとけでら)」を目指します。かつての街道筋を歩くため、現在では車が通る幹線道路と、往時を偲ばせる旧道が混在しています。
主な見どころ
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ならまち:
- 猿沢池の南側一帯に広がる地域で、元興寺の旧境内だった場所です。
- 江戸時代から明治にかけての町家が多く残り、奈良町格子のある家や奈良町資料館など、見どころが豊富です。
- 元興寺小塔院、十輪院、身代わり猿で有名な庚申堂などの名所旧跡もあります。
- 観光案内所や蚊帳の店、漢方薬の店などもあり、散策を楽しめます。
- ならまちの屋根には鍾馗(しょうき)さんが置かれているのも特徴です。
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伊勢への道(伊勢本街道):
- このコースが辿る伊勢本街道は、大阪市内から生駒山暗峠(くらがりとうげ)を越え、奈良、桜井、榛原、室生を経て伊勢へ向かう全長160km余りの道です。
- 他にも伊勢表街道(初瀬街道)や伊勢南街道といった伊勢への道がありました。
- 日本最古の道と言われる「山の辺の道」が延びる大和青垣の山並みを左手に見ながら、ほぼ並行して南下していきます。
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帯解寺(おびとけでら):
- このコースの終点となる帯解寺は、華厳宗の古刹です。
- 寺伝によれば、今からおよそ1200年前、お子に恵まれなかった文徳天皇の皇后・染殿皇后(藤原明子)が当寺で祈願したところ、後の清和天皇を無事に出産されたことから、「無事に腹帯が解けて安産できた寺」として「帯解寺」と名付けられました。
- 以来、「帯解子安地蔵」と呼ばれる御本尊様は広く信仰を集め、子授け・安産祈願のため全国から多くの参拝者が訪れます。
- 現在も皇室との関わりが深く、皇室関係者の懐妊の際には祈願法要を行い、岩田帯やお守りが献納されています。
- 毎月戌(いぬ)の日には特に多くの参拝者が集まります。
- 本尊の地蔵菩薩像は鎌倉時代作の重要文化財で、腹側に帯を結ぶ姿から「腹帯地蔵」とも呼ばれています。
コースのポイント
- 歴史的な街道を歩くことで、かつての伊勢参宮の雰囲気を体験できます。
- ならまちの風情ある街並み散策と、安産祈願で有名な帯解寺への参拝ができます。
- てくてくマップはイラストマップなので、より詳しい地図を携帯することをおすすめします。
- コース内には有料の施設もあります。
- 交通量の多い箇所もあるため、車に注意しながら歩きましょう。
このコースは、歴史と信仰に触れながら、奈良の魅力的な風景を楽しむことができるでしょう。
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