腱板断裂による右腕の痛み、つらいですね。適切な治療法は、断裂の程度やあなたの活動レベル、痛みの強さなどによって変わってきます。
一般的には、まず保存療法から試みることが多いです。
- 安静: 急性期であれば、三角巾などで肩を固定し、できるだけ動かさないようにします。
- 活動制限: 肩を使うスポーツや重労働は中断する必要があります。
- 薬物療法: 痛み止め(内服薬や湿布)で炎症や痛みを抑えます。
- 注射: 痛みが強い場合や、薬物療法で効果がない場合は、ステロイドやヒアルロン酸の注射を行うことがあります。ただし、繰り返しのステロイド注射は腱を弱くする可能性もあるため、注意が必要です。
- リハビリテーション:
- 初期: 痛みのない範囲で、肩の動きを維持するための運動や、周辺の筋肉をほぐすストレッチなどを行います。
- 中期: 徐々に肩の可動域を広げ、腱板周囲の筋肉を強化するトレーニングを行います。チューブを使ったトレーニングなどが効果的です。
- 後期: 日常生活やスポーツ動作に必要な動きを取り戻すための練習を行います。
保存療法で症状が改善しない場合や、腱の完全断裂、日常生活に支障がある場合は、手術療法が検討されます。
- 関節鏡視下手術: 現在の主流となっている手術法です。数カ所の小さな切開からカメラや手術器具を挿入し、モニターを見ながら腱板を骨に縫い付けます。傷が小さく、術後の痛みや回復が比較的早いのが特徴です。
- ミニオープン法: 関節鏡と、3~5cm程度の小さい皮膚切開を併用する方法です。
- オープン法: 大きく皮膚を切開して行う従来の手術法です。大きな断裂や、腱の移植などが必要な場合に選択されることがあります。
- 腱移行術・腱移植: 断裂が大きく修復が難しい場合、他の腱を移植したり、腱の位置を移動させたりする方法です。
- 上方関節包再建術: 断裂が大きく腱の質が悪い場合などに、太ももの筋膜などを移植して肩関節の安定性を高める手術です。
- リバース型人工肩関節置換術: 腱板の修復が困難なほど広範囲に断裂している場合や、高齢者の変形性関節症を合併している場合などに検討されます。通常の人工関節とは異なり、肩甲骨側にボール、上腕骨側に受け皿を設置することで、腱板の機能がなくても三角筋の力で腕を上げられるようにします。
手術後のリハビリテーションも非常に重要です。手術法や断裂の程度によって異なりますが、一般的に数ヶ月かけて可動域の回復や筋力強化を行います。
まずは整形外科を受診し、MRIなどの検査で腱板の状態を詳しく調べてもらい、専門医と治療方針についてよく相談することが大切です。 あなたの状態に合った最適な治療法が見つかるはずです。お大事にしてくださいね。
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