白血病(はっけつびょう)は、一言で言うと「血液のがん」です。
血液の細胞(赤血球、白血球、血小板など)を作るもとである「造血幹細胞」が、骨髄の中でがん化してしまう病気です。がん化した細胞(白血病細胞)が異常に増殖し、正常な血液細胞が作れなくなってしまいます。
1. 白血病の主な症状
正常な血液細胞が減ることや、白血病細胞が増えることで、以下のような症状が現れます。
貧血(赤血球の減少):
動悸、息切れ、めまい、全身の倦怠感 感染症・発熱(正常な白血球の減少):
免疫力が下がり、発熱や風邪のような症状が治りにくくなる 出血傾向(血小板の減少):
鼻血、歯茎からの出血、青あざ(皮下出血)ができやすい、出血が止まりにくい
2. 白血病の4つのタイプ
白血病は、進行のスピード(急性・慢性)と、がん化する細胞の種類(骨髄性・リンパ性)によって大きく4つに分類されます。
急性骨髄性白血病(AML):
成人に多く、もっとも発症率が高いタイプ。症状が急速に進行します。 急性リンパ性白血病(ALL):
小児に比較的多いタイプですが、大人でも発症します。進行が早いため速やかな治療が必要です。 慢性骨髄性白血病(CML):
比較的ゆっくり進行します。長らく「慢性期」という落ち着いた状態を維持できることが多いです。 慢性リンパ性白血病(CLL):
高齢者に多く見られ、何年も無症状で経過することもあります(※日本人には比較的少ないタイプです)。
3. 現在の治療と対応可能性について
ご質問にある通り、医学の進歩により白血病の治療成績は飛躍的に向上しており、現在では十分に「対応可能(寛解や治癒を目指せる)な病気」になっています。かつては「不治の病」といわれていましたが、昔とは大きく状況が違います。
具体的な治療法やアプローチには、以下のようなものがあります。
① 分子標的薬(大きなブレイクスルー)
がんの原因となっている特定の遺伝子やタンパク質だけを狙い撃ちする薬です。
慢性骨髄性白血病(CML):
かつては治療が難しかったCMLですが、「チロシンキナーゼ阻害薬」という分子標的薬が登場したことで、現在は薬を飲みながら健康な人とほぼ変わらない日常生活を送れるケースが主流になりました。 特定の遺伝子を持つタイプ: 急性白血病の一部でも、分子標的薬を従来の抗がん剤と組み合わせることで劇的に治癒率が上がっています。
② 強力な化学療法(多剤併用療法)と支持療法
複数の抗がん剤を組み合わせて、体内から白血病細胞を徹底的に叩き、病気が見えない状態(完全寛解)を目指します。また、抗がん剤治療に伴う免疫低下や副作用を抑える医療技術(支持療法)も大きく進歩しています。
③ 造血幹細胞移植(骨髄移植など)
薬物療法だけでは治癒が難しい場合や、再発のリスクが高い場合に選択されます。ドナーから健康な造血幹細胞を移植し、患者さんの造血機能を再構築します。最近では、血縁者だけでなく「骨髄バンク」や「さい帯血バンク」を介した移植体制も整っています。
④ 新しい免疫療法(CAR-T細胞療法など)
近年では、患者自身の免疫細胞(T細胞)を遺伝子改修して白血病細胞を攻撃させる最先端の「CAR-T(カーティー)細胞療法」なども実用化され、これまで治療が難しかった難治性の患者さんへの新たな希望となっています。
まとめ
小児の急性リンパ性白血病では、治癒率が90%以上に達するなど、多くの白血病で「治るがん」になりつつあります。成人における急性白血病や高齢者の治療においても、一人ひとりの遺伝子変異や体の状態(リスク層別化)に合わせたオーダーメイドに近い治療が行われるようになり、成績は年々向上しています。