各人の用途や予算に合わせてパーツを自由に組み合わせ、注文に応じてパソコンを組み立てて出荷する仕組み「BTO(Build To Order / 受注生産)」。
このBTOの具体的な仕組み・メリットと、日本国内における関連企業の状況について解説します。
1. BTOの仕組みとメリット
従来のパソコン(店頭で完成品を買う「既製品・レディメイド」)とは異なり、BTOは次のような仕組みと特徴を持っています。
主な仕組み:
メーカーのWebサイトなどで、CPU、グラフィックスカード、メモリ、ストレージ(SSD/HDD)、電源などのパーツを自分の好みや予算に合わせて選択・カスタマイズして注文します。注文を受けてから国内の工場などで1台ずつ組み立てられ、ユーザーの元へ届けられます。
主なメリット:
無駄なコストをカットできる: 「動画編集やゲームはしないのでグラフィックボードは最低限にする」「仕事用にメモリだけは大容量にする」など、自分にとって必要な部分だけに予算を集中させることができます。
最新パーツをすぐに反映できる: 既製品に比べて新しい規格のCPUやグラフィックボードいち早く搭載モデルが登場するため、時代の変化に対応しやすいです。
拡張性やメンテナンス性が高い: 汎用性の高いケースやパーツ(規格品)が使われていることが多く、将来的に自分でパーツを交換してアップグレードするのも容易です。
2. 全国にどのくらい関連企業があるのか?
BTOパソコンを取り扱う、あるいはパーツの製造・供給を担う「関連企業」の規模感についてです。
BTOパソコンを直接販売している主要ブランド・メーカー
日本国内で一般ユーザーに広く知られ、自社で組み立て・販売を行っている主要な専門BTOメーカー(およびグループ)は、十数社(主要どころで約10〜15社程度)が市場の大部分を占めています。
代表的な国内ブランド例:
ドスパラ(株式会社サードウェーブ)(ゲーミングPC「GALLERIA」などで国内トップクラスのシェア)
マウスコンピューター(「
G-Tune」や「mouse」など、手厚い国内サポートで人気) パソコン工房(株式会社ユニットコム)(「LEVEL∞」など、全国に実店舗網を持つ)
サイコム(Sycom)(静音性やパーツの自由度が高く、マニア層から厚い信頼)
日本HPやデル(Dell)などの外資系大手(
一部のモデルでパーツのカスタム選択=BTO方式に対応)
サプライチェーン全体(関連企業)の広がり
パソコンの本体を組み立てて売る「メーカー」だけでなく、その背後には膨大な関連企業が存在します。
パーツを供給するメーカー:
CPU(インテルやAMD)、グラフィックボード(NVIDIAやAMD)、マザーボードやメモリ、電源などを製造するグローバル企業。 国内のパーツショップや卸売・中小の組立工房: 全国の主要都市(東京の秋葉原、大阪の日本橋、名古屋の大須など)のパーツショップから、地域密着型のオーダーメイドPC製作所、法人向けの業務用ワークステーション(AI開発や3DCAD用)を組み立てる中小企業まで含めると、全国で数百社規模の関連・裾野産業が存在しています。
特に近年は、高負荷な生成AIの開発や、本格的なゲーミングPC、動画編集の需要急増に伴い、個人のこだわりに応えるBTOパソコンの存在感はますます高まっています。