薬の副作用について理解し、適切に対応していくことは、安全な薬物療法を行う上で非常に重要です。一緒に見ていきましょう。
副作用とは?
薬には、病気や症状を改善する主作用と、意図しない副作用があります。副作用は、薬の成分が主作用以外の場所に作用したり、体が薬に過剰に反応したりすることで起こります。
副作用の種類
副作用は、現れる時期や症状、重症度などによって様々です。
- 一般的な副作用: 多くの薬で見られる可能性のある、比較的軽度な症状(眠気、吐き気、便秘、下痢、発疹など)。
- 重篤な副作用: まれではあるものの、命に関わるような重大な症状(アナフィラキシーショック、 Stevens-Johnson 症候群、中毒性表皮壊死症、肝障害、腎障害、血液障害、間質性肺炎など)。
- 予測できる副作用: 薬の作用機序からある程度予測できるもの(例:血圧を下げる薬による低血圧)。
- 予測できない副作用: 体質やアレルギーなど、個人の要因によって起こるため予測が難しいもの。
- 飲み始めに起こりやすい副作用
- 長期間服用することで起こる可能性のある副作用
副作用を理解するために
- 医師や薬剤師からの説明をしっかり聞きましょう: 薬の名前、効果、用法・用量、そして起こりうる副作用について詳しく説明を受け、疑問点は必ず質問しましょう。
- 添付文書をよく読みましょう: 薬の添付文書には、副作用に関する詳しい情報が記載されています。保管しておき、いつでも確認できるようにしましょう。
- 自分の体質やアレルギー歴を伝えましょう: 過去に薬でアレルギーを起こしたことがある場合や、食品アレルギーなどがある場合は、必ず医師や薬剤師に伝えましょう。
- 複数の薬を服用している場合は注意しましょう: 飲み合わせによっては、副作用のリスクが高まることがあります。服用中のすべての薬を医師や薬剤師に伝え、確認してもらいましょう。
- 市販薬にも副作用があることを理解しましょう: 市販薬も、使い方によっては副作用が起こることがあります。添付文書をよく読み、用法・用量を守って使用しましょう。
副作用が疑われる場合の対応
- 自己判断で薬の服用を中止しない: 副作用と思われる症状が出た場合でも、自己判断で薬の服用を中止すると、病状が悪化したり、別の問題が起こったりする可能性があります。必ず医師または薬剤師に相談しましょう。
- 医師や薬剤師に症状を具体的に伝えましょう: いつから、どのような症状が出ているのか、具体的に伝えることが大切です。可能であれば、症状を記録しておくと良いでしょう。
- お薬手帳を活用しましょう: 服用している薬の名前、量、服用期間、副作用の記録などを残しておくことで、医師や薬剤師に正確な情報を伝えることができます。
- 医療機関を受診しましょう: 重篤な副作用が疑われる場合や、症状が改善しない場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
副作用を予防・軽減するために
- 用法・用量を守って服用しましょう: 決められた時間に、決められた量を服用することが大切です。
- 食事の指示を守りましょう: 薬によっては、食前・食後など、服用タイミングが指示されている場合があります。
- 飲み合わせに注意しましょう: 医師や薬剤師の指示なしに、他の薬やサプリメントを併用しないようにしましょう。食品との飲み合わせに注意が必要な場合もあります(例:ワーファリンと納豆、カルシウム拮抗薬とグレープフルーツジュース)。
- 体調の変化に注意しましょう: 薬を服用し始めたら、体調の変化を注意深く観察しましょう。
- 定期的な検査を受けましょう: 薬によっては、定期的な血液検査や尿検査などで副作用の有無を確認する場合があります。
副作用被害救済制度について
医薬品を適正に使用したにもかかわらず、重篤な副作用により入院が必要になったり、障害が残ったりした場合に、医療費や年金などの給付を受けられる医薬品副作用被害救済制度があります。詳しくは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)のウェブサイトなどで確認できます。
副作用の報告について
患者さんやご家族からも、医薬品による副作用と思われる症状について、PMDAに直接報告することができます。報告された情報は、今後の医薬品の安全対策に役立てられます。
- PMDAのウェブサイトからオンラインで報告できます。
- 郵送でも報告を受け付けています。
何か気になる症状が現れた場合は、決して自己判断せず、医療従事者に相談することが最も大切です。不安なことや疑問に思うことは、遠慮せずに医師や薬剤師に尋ねてくださいね。
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