行政におけるRFIとは、**Request For Information(情報提供依頼書)**の略であり、特定の事業やプロジェクトを進める上で、候補となる事業者(ベンダー)から、その事業への参画能力や技術、製品・サービスに関する情報を広く収集するために発行される文書のことです。
簡単に言うと、行政機関が何か新しいシステムを導入したり、業務を外部に委託したりする際に、「どんなことができる業者があるのか」「どんな技術やサービスがあるのか」といった、現時点での市場の状況や選択肢に関する情報を幅広く知るための下準備として使われます。
行政におけるRFIの主な意味と目的
情報収集と市場調査: 特定の課題やニーズに対して、どのような解決策や技術が市場に存在し、どのような事業者がそれを提供できるのかを広く把握することが目的です。まだ具体的な要件が固まっていない段階で、情報収集のために使われます。
候補事業者の絞り込み: RFIを通じて得られた情報を基に、自社の要件に合いそうな事業者や、より具体的な提案を依頼するに値する事業者をある程度絞り込むためのスクリーニングの役割を果たします。
知見の獲得: 行政機関内部だけでは得られない、最新の技術動向や市場のトレンド、各事業者の得意分野や実績などを知ることで、事業計画の策定や要件定義の精度を高めることができます。
公平性と透明性の確保: 広く情報提供を求めることで、特定の事業者への偏りをなくし、公平な競争環境を促すことができます。これは公共事業においては特に重要です。
RFP(提案依頼書)作成の準備: RFIで収集した情報を参考に、次に発行されるRFP(Request For Proposal:提案依頼書)の具体的な内容や要件をより明確にするための材料とします。RFIは「何ができるか教えてください」という問いに対し、RFPは「こういうことを実現するために、具体的にどう提案しますか?」という問いかけです。
RFIに含まれる主な内容
行政機関がRFIを発行する際には、通常以下のような内容が含まれます。
RFIの趣旨・目的: なぜこの情報提供を求めているのか、どのような事業を検討しているのかなどを説明します。
行政機関側の情報: 事業の概要や背景、現在の課題などを提示し、事業者側が提案しやすいように情報を提供します。
情報提供依頼事項: 事業者の基本情報、これまでの実績、提供可能なサービスや製品の詳細、技術的な強み、導入事例、費用感など、具体的に知りたい情報を列挙します。
回答様式・提出方法: どのような形式で、いつまでに、どこに回答を提出するのかなどを明記します。
行政におけるRFIは、効率的かつ効果的な調達を実現するための重要なプロセスの一つです。
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