「クラス(class)」という言葉の源流は、古代ローマにあります。もともとは、市民を財産に応じて分類する際に用いられたラテン語の「classis」が語源です。
古代ローマの「classis」
古代ローマでは、市民を財産の多寡によって複数の階級(classis)に分類していました。これは主に徴兵や徴税のために行われ、一番上の階級を第一級(prima classis)、一番下の階級を**第五級(quinta classis)**と呼びました。
この言葉は、元々は「(軍隊に)招集された人々の集まり」という意味を持っていました。これが時代を経て、「階級」「等級」「種類」といった、ある基準で分類されたグループ全体を指す言葉へと意味が広がっていきました。
現代における「クラス」
現代でも、この「分類されたグループ」という中心的な意味は様々な分野で使われています。
学校のクラス: 生徒を年齢や学力などで分類した集団。
社会階級(social class): 社会的な地位や経済力で人々を分類した階層。
プログラミングのクラス: オブジェクト指向プログラミングにおいて、似た性質や振る舞いを持つデータと処理をひとまとめにした設計図。
プログラミングにおける「クラス」も、この「ある特定の性質を持つものの集まり」という概念が源流にあるため、根本的な意味は同じです。例えば、Car
というクラスは、色やメーカーといったデータ(属性)と、「走る」「止まる」といった処理(メソッド)をひとまとめにした設計図として機能します。
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