2025年8月9日土曜日

OFFICE アプリ ワードなどからPDFを生成するとき、WEBの世界に一番フィットするPDFをつくりたい。なにを推奨しますか? あるいはそんな区別はないのでしょうか?

 はい、ウェブにフィットするPDFを作成するための区別はあります。特に重要なのは、ファイルサイズアクセシビリティの2点です。

PDFにはいくつかの国際規格があり、それぞれ異なる用途を想定しています。例えば、長期保存用のPDF/Aや印刷用のPDF/Xなどがありますが、ウェブ向けに最も推奨されるのは、**PDF/UA(Universal Accessibility)**という規格です。


PDF/UAとは?

PDF/UAは「Universal Accessibility」の略で、誰でもPDFの内容にアクセスできるようにするための規格です。ウェブの世界では、障害を持つ人も含めてすべてのユーザーが情報に平等にアクセスできることが重要視されています。PDF/UAは、具体的に以下のような特徴を持っています。

  • タグ付け: 見出し、リスト、段落、表などが正しく構造化されています。これにより、スクリーンリーダー(画面読み上げソフト)が内容を正しく理解し、読み上げることができます。

  • 代替テキスト: 画像には内容を説明する「代替テキスト」が必ず含まれています。

  • 論理的な読み上げ順序: ページのレイアウトが複雑でも、内容が意味の通る順番で読み上げられるようになっています。

これらの特徴は、ウェブサイトそのもののアクセシビリティ(Web Accessibility)の考え方と一致しており、ウェブで公開するPDFには非常に適しています。


実際にPDFを最適化するには?

WordなどのOfficeアプリでPDFを生成する際、以下の点を意識することで、ウェブにフィットしたPDFに近づけることができます。

  1. PDF/UA準拠で保存する:

    • Microsoft Officeには、PDF/UA準拠で保存するオプションがある場合があります。このオプションを活用しましょう。

    • この設定が見つからない場合でも、Adobe Acrobat Proなどの専門ツールを使えば、既存のPDFをPDF/UAに準拠させることができます。

  2. ファイルサイズを小さくする:

    • ウェブでは、ファイルのダウンロードに時間がかかるとユーザーのストレスになります。高解像度の画像はウェブ用に最適化(72dpi程度)しましょう。

    • PDF作成時に「ウェブ用に最適化」や「ファイルサイズの縮小」といったオプションがあれば、積極的に使いましょう。

  3. リンクやブックマークを活用する:

    • 長文のPDFの場合、目次や見出しから特定のページにジャンプできるブックマーク内部リンクを設定しておくと、ユーザーが目的の情報に素早くたどり着けます。これはユーザー体験を向上させる重要なポイントです。

これらの点を踏まえ、OfficeアプリでPDFを生成する際は、PDF/UA準拠の設定を探し、次にファイルサイズの最適化を意識することがウェブ向けPDF作成の最良の方法と言えます。

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