2025年8月22日金曜日

「S状結腸過敏症」とは

 「S状結腸過敏症」という病名は、一般的に用いられる医学用語ではありません。おそらく、**「過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome)」**のことを指していると考えられます。

過敏性腸症候群は、大腸のS状結腸を含む消化管全体が、ストレスなどの刺激に対して過敏になり、慢性的な腹痛や下痢、便秘などの症状を繰り返す病気です。

過敏性腸症候群(S状結腸過敏症)の主な特徴

  • 症状: 腹痛や腹部の不快感、下痢、便秘、ガスがたまる、お腹がゴロゴロ鳴る、残便感など。これらの症状は、排便によって一時的に改善することが多いのが特徴です。

  • 原因: 精神的なストレス、不安、過労、睡眠不足、不規則な食生活などによって、腸の運動をコントロールしている自律神経が乱れることが主な原因と考えられています。

  • 診断: 胃や大腸に炎症や潰瘍、腫瘍などの器質的な病変がないにもかかわらず、慢性的に症状が続いている場合に診断されます。

  • タイプ: 主に以下の3つに分類されます。

    • 下痢型: 激しい腹痛とともに突然の便意を催し、水のような便や泥状の便が出る。若い男性に多い傾向があります。

    • 便秘型: 腹痛を伴う便秘が続き、便が硬くコロコロとしたウサギの糞のような形状になる。若い女性に多い傾向があります。

    • 混合型: 下痢と便秘を交互に繰り返すタイプです。

治療法

過敏性腸症候群の治療は、症状や生活習慣に合わせて総合的に行われます。

  1. 生活習慣の改善:

    • ストレスを上手に解消する。

    • 十分な睡眠と規則正しい生活を心がける。

    • 適度な運動を取り入れる。

    • 暴飲暴食や高脂肪食、刺激物、アルコールなどを避ける。

    • 食物繊維やプロバイオティクス(乳酸菌など)を積極的に摂取する。

  2. 薬物療法:

    • 腸の運動を調整する薬

    • 下痢止めや便秘薬

    • 整腸剤

    • セロトニンに作用して腸の過敏性を改善する薬

    • 腹痛を和らげる鎮痙薬

  3. 心理療法:

    • 症状が心因的な要因に強く影響されている場合は、カウンセリングなどの心理療法も有効な場合があります。

過敏性腸症候群は、再発しやすい病気ですが、適切な治療と生活習慣の改善によって症状をコントロールし、日常生活の質を向上させることができます。もし、これらの症状に心当たりがある場合は、消化器内科を受診して、他の病気がないか検査してもらうことが大切です。

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