2025年9月19日金曜日

大相撲の歴史とは

 大相撲は日本の国技であり、その歴史は非常に古く、神話時代にまでさかのぼります。単なる格闘技ではなく、五穀豊穣を祈る神事としての側面も持っています。


1. 神話・古代(起源)

相撲の起源は、『古事記』や『日本書紀』に記されている野見宿禰と當麻蹶速の力比べに求められます。これは、神話上の出来事ですが、相撲が古くから力くらべや武術として存在していたことを示しています。奈良時代から平安時代にかけては、宮廷の年中行事として**相撲節会(すまいのせちえ)**が行われ、五穀豊穣を祈願する儀式となりました。この時代の相撲にはまだ土俵はなく、地面の上で勝敗を競っていました。


2. 中世・近世(発展と娯楽化)

鎌倉時代から戦国時代にかけては、相撲は武士の武術訓練として盛んに行われました。特に織田信長は相撲を愛好し、安土城で大規模な上覧相撲を催し、勝ち抜いた者を家臣として召し抱えたという記録が残っています。

江戸時代に入ると、相撲は庶民の娯楽として大きく発展します。寺社の建立や修繕の費用を賄うための勧進相撲が各地で開催され、人気を博しました。この頃、土俵が整備され、ルールや番付が確立されるなど、現在の大相撲の基礎が築かれました。この時代には、谷風梶之助、雷電爲右衞門といった伝説的な強豪力士が現れ、相撲人気は不動のものとなりました。


3. 近現代(大相撲の確立)

明治時代に入ると、東京相撲と大阪相撲が二大勢力となります。1925年(大正14年)には、この両団体が合併して大日本相撲協会が設立され、近代的な興行としての大相撲が確立しました。戦後は、日本相撲協会と名称が変わり、テレビ中継が始まると、国民的な人気スポーツとしてさらに広まりました。

特に昭和30年代の栃錦と若乃花、40年代の大鵬と柏戸、そして平成の貴乃花と若乃花など、ライバル関係にある横綱たちが活躍する時代は、大相撲の黄金期として多くの人々に親しまれました。

大相撲は、このように神事から武術、そして庶民の娯楽へとその形を変えながら、日本の伝統文化として今日まで受け継がれてきました。

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