2025年9月19日金曜日

近年の日本の異常気象の主な原因

 近年の日本の異常気象の主な原因は、地球温暖化によって引き起こされる気候変動と、それに伴う特定の気象条件の組み合わせです。


地球温暖化による影響

地球温暖化は、異常気象を発生させる「ベース」の役割を果たしています。二酸化炭素などの温室効果ガスが増えることで、大気や海水の平均気温が上昇し、以下のような現象がより頻繁に、そしてより強力に発生するようになります。

  1. 大気中の水蒸気量増加: 気温が上がると、大気中に含まれる水蒸気量が増加します。これにより、ひとたび雨が降ると、これまで経験したことのないような集中豪雨線状降水帯が発生しやすくなります。

  2. 気温の上昇: 地球温暖化が進行すると、猛暑日熱帯夜の発生頻度が増加します。

  3. 海水温の上昇: 海水温が上昇すると、台風のエネルギー源が強化され、巨大で強力な台風が発生しやすくなります。また、日本の周辺の海水温が記録的に高くなることで、陸上でも気温が下がりにくくなります。


異常気象を引き起こす具体的な気象条件

地球温暖化が進行する中で、以下のような特定の気圧配置や気象条件が重なることで、日本は記録的な異常気象に見舞われます。

  1. 太平洋高気圧の勢力強化: 太平洋高気圧が例年よりも強く、日本列島を覆い続けることで、熱い空気が滞留し、記録的な猛暑を引き起こします。

  2. 偏西風の蛇行: 地球温暖化によって北極の気温が上昇すると、熱帯と北極の温度差が小さくなり、ジェット気流(偏西風)が大きく蛇行しやすくなります。この蛇行が日本の北側で起こると、高気圧の張り出しを強め、熱い空気が流れ込みやすくなります。また、蛇行によって寒気が南下し、大雨の原因となることもあります。

  3. 複数の高気圧の複合: 太平洋高気圧だけでなく、チベット高気圧など複数の高気圧が日本列島の上空で重なり合うことで、より強力な「熱のフタ」が形成され、猛暑が長期間続きます。

これらの要因はそれぞれが独立して存在するのではなく、互いに影響し合い、極端な気象現象を引き起こしています。たとえば、海水温の上昇は太平洋高気圧の勢力を強め、結果として猛暑をさらに加速させるという悪循環が生じています。

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