ステルスマーケティング、通称「ステマ」は、広告であることを隠して、消費者に宣伝だと気づかせないように商品やサービスを宣伝する手法のことです。まるで忍者のように、こっそりと、でも効果的にターゲットに影響を与えようとするイメージですね。
具体的には、以下のようなものがステマに該当します。
- インフルエンサーによる秘密のPR: インフルエンサーが、企業から報酬を受け取っているにもかかわらず、あたかも個人的な感想やおすすめとして商品やサービスを紹介する。
- 口コミサイトへの偽の投稿: 企業が自社の商品やサービスを良く見せるために、一般の消費者を装って口コミサイトに高評価のレビューを投稿したり、競合他社を悪く言うような投稿をする。
- ブログやSNSでのさりげない宣伝: ブロガーやSNSユーザーが、広告主から依頼を受けていることを明示せずに、日常生活の中に自然な形で商品やサービスを登場させたり、言及したりする。
- イベントや体験談を装った宣伝: イベント参加者や体験談の投稿者が、実は企業の関係者であったり、報酬を受け取っていたりするのに、それを隠して宣伝する。
なぜ問題視されるのか?
ステマが問題視されるのは、消費者が広告だと認識できないまま情報を受け取ってしまうため、自主的かつ合理的な判断を妨げられる可能性があるからです。消費者は、純粋な意見や感想だと思って情報を信用してしまい、実際には宣伝目的の情報だったという事実に気づかないことがあります。これは、消費者に対する欺瞞にあたると考えられています。
また、正直に広告であることを明示して情報発信している企業やインフルエンサーからすると、ステマは不公正な競争を生み出す行為とも言えます。
法律やガイドライン
近年、ステマに対する規制の動きも出てきています。例えば、景品表示法(景表法)では、事業者が自らの商品やサービスについて、実際よりも著しく優良であると見せかける表示や、有利であると見せかける表示を禁じており、ステルスマーケティングもこの規制の対象となる可能性があります。
また、SNSプラットフォームや業界団体などが、ステマに対するガイドラインを策定し、情報発信者に対して広告であることを明確にするよう求めている動きもあります。
消費者が気をつけること
完全にステマを見抜くのは難しい場合もありますが、以下のような点に注意することで、ある程度のリスクを減らすことができます。
- 情報源の信頼性を確認する: 発信者が誰なのか、過去の発信内容などを確認する。
- 極端に褒め称える内容に注意する: あまりにも良いことばかり書かれている場合は、疑ってみる。
- 複数の情報を比較する: 一つの情報源だけでなく、様々な情報源の意見を見てみる。
- PR表記の有無を確認する: インフルエンサーなどの投稿では、「#PR」「#広告」といった表記がないか確認する。
ステルスマーケティングは、巧妙に隠されているため見抜きにくい側面がありますが、その本質は消費者を欺く行為であり、倫理的に問題があると言えるでしょう。情報を受け取る側も、常に情報を鵜呑みにせず、批判的な視点を持つことが大切ですね。
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