「ローマ字」という言葉は、大きく分けて2つの意味で使われます。
ラテン文字(アルファベット)全般: 古代ローマで使われていた文字に由来するもので、現在世界で最も広く使われている文字体系です。
日本語をラテン文字で表記する方法: 特に日本で、日本語の音をラテン文字で表すために使われる表記法(ヘボン式、訓令式など)を指します。
それぞれの意味での使用国と言語は以下の通りです。
1. ラテン文字(アルファベット)全般
ラテン文字は、現在、世界中の非常に多くの国々で、様々な言語の表記に用いられています。 主な例を挙げると、以下のようになります。
ヨーロッパのほとんどの国々:
ゲルマン語派: 英語(イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど)、ドイツ語(ドイツ、オーストリア、スイス)、オランダ語、スウェーデン語、デンマーク語、ノルウェー語、アイスランド語など
ロマンス語派: フランス語(フランス、カナダ、スイス、ベルギー、アフリカ諸国など)、スペイン語(スペイン、メキシコ、中南米諸国)、ポルトガル語(ポルトガル、ブラジル、アフリカ諸国)、イタリア語、ルーマニア語など
スラヴ語派: ポーランド語、チェコ語、スロバキア語、クロアチア語、スロベニア語など
バルト語派: リトアニア語、ラトビア語
ウラル語派: ハンガリー語、フィンランド語、エストニア語
その他: アイルランド語、アルバニア語など
南北アメリカ大陸のすべての国々: 主に英語、スペイン語、ポルトガル語などが使われています。
アフリカ大陸の大部分の国々: かつての宗主国の言語(英語、フランス語、ポルトガル語など)や、現地の言語(スワヒリ語など)の表記に用いられています。
アジアの一部:
ベトナム語(ベトナム)
インドネシア語(インドネシア)
フィリピノ語(フィリピン)
マレー語(マレーシア)
トルコ語(トルコ)
その他、独自の文字を持たない、あるいは持っていたがラテン文字に切り替えた言語の多く。
オセアニアのすべての国々: 主に英語が使われています。
ラテン文字は、もともと21字から始まり、後にJ、Wなどが加わって現在の26字が基本となっていますが、各言語に合わせて文字や記号(アクセント記号など)が追加されたり、一部の文字が使われなかったりすることもあります。
2. 日本語をラテン文字で表記する方法(日本語のローマ字)
この意味でのローマ字は、主に日本で、日本語の単語や文章をラテン文字で表記する際に用いられます。
日本語:
国内外の日本語学習者: 発音を学ぶためや、日本語の文字を扱えない環境で日本語を表記するために使われます。
図書館の蔵書目録、人名、地名、道路標識など: 固有名詞や案内表記として、日本語話者以外にも分かりやすくするために使われます。
キーボード入力: 日本語の文章を入力する際に、ローマ字入力が一般的に使われます。
日本語のローマ字には、ヘボン式、訓令式、日本式といった複数の表記法が存在し、用途によって使い分けられています。
このように、「ローマ字」という言葉は文脈によって指す範囲が異なりますが、ラテン文字全般としては世界中で最も普及している文字であり、日本語の表記方法としては主に日本で用いられています。
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