大阪・関西万博の最終的な事業費の内訳について、現時点で公表されている情報に基づき、主に「万博協会が負担する費用(運営費)」と「国・地方自治体が負担する費用(会場建設費など)」に分けてご説明します。
最終的な収支決算は閉幕直後のためまだ確定していませんが、公表されている総事業費は3,308億円とされています。
1. 万博協会が負担する費用(運営費)
万博の主催者である公益社団法人2025年日本国際博覧会協会が、主にチケット収入やライセンス収入などで賄う費用です。
| 項目 | 予算額(概算) | 備考 |
| 運営費 | 約958億円(または約1,160億円) | 2019年時点の809億円から増額されました。 |
この運営費については、報道されているように、想定入場者数を上回った結果、チケット収入などで賄われ、230億円~280億円程度の黒字になったと協会から発表されています。
2. 国・地方自治体が負担する費用(会場建設費など)
主に国、大阪府、大阪市、経済界の三者で負担する費用です。
| 項目 | 予算額(最終) | 備考 |
| 会場建設費 | 約2,350億円 | 当初計画の約1.9倍に増額されました。 |
| 総事業費合計 | 3,308億円 | (会場建設費2,350億円 + 運営費958億円) |
会場建設費(2,350億円)の主な内訳
会場建設費は、資材価格の高騰などにより、当初の1,250億円から2,350億円へと大幅に増額されました。主な内訳には以下のようなものがあります。
施設整備費(パビリオン、催事施設、大屋根など):1,180億円
特に、来場者の主動線となり、雨除け・日除けの役割を果たした大屋根リングの整備に350億円が投じられています。
基盤インフラ整備費(電力、ガス、上下水、通信など):670億円
来場者の快適性・安全性・利便性向上のための施設(暑さ対策のドライミスト、単独トイレ棟の整備など):約320億円
予備費:130億円
3. 万博に関連するその他の公的費用(インフラ整備など)
上記の万博協会が公表する事業費とは別に、万博開催に合わせて国や自治体が負担したインフラ整備費用があります。これらは「万博関連費用」として計上され、万博後も利用されることが前提とされています。
| 項目 | 費用(概算) | 備考 |
| 会場周辺のインフラ整備 | 810億円 | 夢洲(ゆめしま)内の駅や道路、アクセス道路などの整備。 |
| 会場へのアクセス向上 | 7,580億円 | 関西広域からの空港、高速道路、鉄道の強化など。 |
これらのインフラ整備費用を含めると、**万博に関連する国の費用は1,647億円(万博直接費用)+ 8,390億円(インフラ整備費用など)**に上ると報道されています。
したがって、冒頭でお答えしたように、万博協会が担う運営収支は黒字だった一方で、会場建設費や関連インフラ整備といった公的な費用を含めたトータルでみると、多額の公費が投じられたことになります。
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