「老いの才覚」とは、作家の曽野綾子さんが提唱した考え方で、歳をとるにつれて直面する様々な問題や変化に対して、いかに賢く、そして自立した姿勢で向き合っていくか、という生きる知恵や心構えを意味します。
単に歳をとって衰えるのではなく、年齢を重ねたからこそ得られる経験や知識を最大限に活かし、人生をより豊かにするための「老いる力」とも言えます。
「老いの才覚」の具体的な要素
曽野さんは著書『老いの才覚』の中で、この「老いる力」を7つの要素に分けて解説しています。これは、歳をとっても誰にも頼らず、自分らしく生きるための具体的なヒントとなります。
1. 自立と自律の力
他人に依存せず、自分のことは自分で行うという強い意志を持つことです。若者だろうと高齢者だろうと、人として自立して生きることが基本だと説いています。
2. 死ぬまで働く力
これは必ずしも会社で働くことだけを指すのではなく、何かしら社会や他者と関わり、自分の役割を持ち続けることです。生きがいや目的意識を持つことが、心身の健康につながると考えられています。
3. 孤独と向き合う力
歳を重ねると、身近な人が亡くなったり、一人になる機会が増えます。そんな時でも孤独を嘆くのではなく、孤独を面白がるくらいの姿勢を持つこと。一人で楽しめる趣味や時間を見つけることが大切だとされています。
4. お金に困らない力
自分の能力の衰えを自覚し、それに合わせて生活を縮小していく賢明さです。不要なものを手放したり、分相応な生活を心がけることで、経済的な不安を減らすことができます。
「老いの才覚」の核心にある考え方
「老いの才覚」の根底には、「年寄りだから」と甘えたり、権利ばかり主張するのではなく、一人の人間として強く生きるべきだというメッセージがあります。
超高齢化社会を迎える現代において、他人や社会に依存するのではなく、自分の才覚で生きるというこの考え方は、多くの人にとって人生をより良くするヒントとなるでしょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿