「三十六計逃げるに如かず」は、万策尽きたときは、あれこれと小細工を弄するよりも、潔く退却するのが最良の策である、という意味のことわざです。
意味の解説
このことわざは、古代中国の兵法書「兵法三十六計」の最後の計略である「走為上」(走るを上と為す)に由来しています。
「三十六計」:
古代中国の兵法書「兵法三十六計」に記された、あらゆる局面で用いられる36の計略のこと。
敵を欺き、勝利を収めるための様々な戦術がまとめられています。
「逃げるに如かず」:
「〜に如かず」は、「〜に及ばない」「〜が一番良い」という意味で、ここでは**「逃げるのが一番良い」**となります。
つまり、どんなに優れた策略を巡らせても、窮地に陥って勝つ見込みがない場合は、無駄な抵抗をせずに、一度引くことが最も賢明な判断である、という教えです。
これは単なる「逃げ」ではなく、**「戦術的な撤退」**を意味しています。一時的に身を引くことで、体勢を立て直し、新たな機会を待つという、長期的な視点に立った戦略なのです。
具体的な例
ビジネスの場面:
採算が取れない事業から、赤字が膨らむ前に撤退する。
市場での競争が激しく、勝つ見込みがないと判断した際に、別の市場へ参入する。
人間関係の場面:
解決の見込みがない揉め事や、不毛な議論からは一旦距離を置く。
相手の怒りが収まるまで、その場を離れて時間を置く。
これらの例のように、「逃げる」ことは敗北ではなく、状況を悪化させないための**「最善の選択」**となり得るのです。
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