2025年8月24日日曜日

医療費の地域格差があります。医療費の西高東低 現象 が著しく出ておりますが、 これの原因は一体何なのでしょうか。

 医療費の「西高東低」現象の主な原因は、医療提供体制の違いと、それに伴う医療の利用方法や患者の行動様式にあるとされています。特に、入院医療に関する要因が大きく影響しています。

1. 入院医療の提供体制

西日本の多くの地域では、東日本に比べて病床数(特に一般病床、療養病床)が多い傾向にあります。ベッドが過剰に供給されていると、不必要な長期入院を招きやすくなり、これが医療費を押し上げる大きな要因となります。在院日数の長さは、西日本の医療費が高い主要な理由の一つです。

2. 医療の利用方法

医療提供体制の違いは、患者の行動にも影響を与えます。

  • 入院期間: 西日本では、東日本に比べて入院期間が長い傾向にあります。これは、高齢者の「社会的入院」(治療の必要性が低いにもかかわらず、自宅での介護が困難なために長期入院すること)が一因とも考えられています。

  • 受診率・診療密度: 医療費が高い地域では、一人当たりの受診回数が多かったり、一度の診療で多くの検査や投薬が行われたりする傾向が見られます。

3. その他の要因

  • 生活習慣: 食塩摂取量の多さなど、地域ごとの生活習慣も一部影響しているという見方がありますが、医療提供体制の要因に比べると寄与度は小さいとされています。

  • 人口構造: 西日本は高齢化がより進行している地域が多いという側面もありますが、厚生労働省の分析では、年齢構成を調整してもなお西高東低の傾向が続いているため、単なる高齢化だけが原因ではないことがわかっています。

この「西高東低」現象は、単なる地理的な差ではなく、長年にわたる医療提供体制の構造的な問題を示唆しており、国や自治体がその是正に取り組むべき課題となっています。

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