2025年11月14日金曜日

「逡巡(しゅんじゅん)」とは

 「逡巡(しゅんじゅん)」とは、決断をためらい、ぐずぐずすることや、進むのをためらうことを意味する言葉です。


🧐 「逡巡」の意味と類語

1. 意味

  • ためらい、躊躇(ちゅうちょ):何かを決定したり、行動に移したりする際に、迷いや不安からなかなか踏み切れない状態を指します。

  • 進退の迷い:進むべきか、留まるべきか、どのような態度を取るべきかを決めかねて、行動が停滞している様子を表します。

語源:

  • 「逡」は「後ずさりする」「進まない」という意味。

  • 「巡」は「めぐる」「うろつく」という意味。

  • 二つ合わせて「行ったり来たりして、進むことをためらう」という状態を表現しています。

2. 類語

「逡巡」の具体的なニュアンスを理解するために、似た意味の言葉と比較してみます。

類語意味ニュアンスの違い
躊躇(ちゅうちょ)決心がつかず、ためらうこと。ほぼ同義で、最も近い類語。やや硬い表現。
戸惑い(とまどい)どうしていいか分からず、まごつくこと。迷っているが、判断基準や状況が理解できないことによる混乱のニュアンスが強い。
尻込み(しりごみ)恐れや不安から、ためらって後ずさりすること。不安や恐怖が原因で、行動を起こすのをためらう、より身体的な後退のニュアンスを持つ。
迷い(まよい)判断がつかずに困ること。幅広く使われる言葉で、「逡巡」は、迷った結果、行動を遅らせている状態に焦点を当てた表現。

🗣️ 具体的な使用場面と例文

「逡巡」は、ビジネスや文学、日常会話など、重要な決断や行動を前にしてためらいが生じる場面で使われます。多くの場合、書き言葉や改まった話し方で用いられる、やや硬い表現です。

1. 重要な決断をためらう場面

昇進や転職、大きな投資など、人生や仕事における重要な選択で迷う様子を表現します。

  • 「彼は、新しいプロジェクトのリーダー就任の依頼に対し、しばらく逡巡した末に承諾した。」

  • 「厳しい情勢を前に、役員会は価格改定の是非について逡巡を続けた。」

2. 行動を起こすのをためらう場面

相手に何かを伝える、危険な場所に立ち入るなど、一歩踏み出すことをためらう様子を表します。

  • 「伝えたいことはあるものの、彼女は逡巡してなかなか口を開かなかった。」

  • 「その計画に賛成すべきか反対すべきか、私は最後まで逡巡を繰り返した。」

3. 文学的な描写や硬い文章

特に感情の動きや葛藤(かっとう)を描写する際に使われます。

  • 「主人公は、師の教えと己の信念との間で深く逡巡した。」

  • 「彼の逡巡する態度が、事態の解決を遅らせる最大の原因となった。」


このように「逡巡」は、「行動すること」と「ためらうこと」の間に生じる心理的な摩擦を表現する際に、非常に適した言葉です。

逡巡せずに、他に知りたい言葉や表現があれば、お気軽にお尋ねください。

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