2025年7月31日木曜日

8月27日の「世界湖沼の日」について具体的にどんな活動をいかなるシステムで推進しているのか具体的に教えてください。

 「世界湖沼の日」(World Lake Day)は、2024年の第79回国連総会において、8月27日と正式に定められた新しい国際デーです。これは、湖沼とその関連する生態系の重要性を世界中で認識し、持続可能な形で維持・保全・再生することを目的としています。特に、滋賀県で開催された第1回世界湖沼会議の開会日(1984年8月27日)にちなんで制定されたものであり、日本、特に滋賀県が長年働きかけてきた成果と言えます。

推進される具体的な活動

「世界湖沼の日」を推進するために、以下のような活動が想定されています。

  1. 意識向上と教育の推進:

    • 広報活動: ポスターやのぼり旗の掲示、ホームページやSNSでの積極的な情報発信を通じて、「世界湖沼の日」の認知度を高め、湖沼の重要性に関する意識を高めます。

    • イベント開催: 湖沼環境保全に関するパネルディスカッション、講演会、地域住民参加型の清掃活動、学習イベントなどが企画されます。例えば、滋賀県では「びわ湖の日」(7月1日)と連携したイベントや、琵琶湖の学習船「うみのこ」に乗船するステージイベントなどが計画されています。

    • キャンペーン: 国際湖沼環境委員会(ILEC)が主催するInstagramハッシュタグキャンペーンのように、一般市民が湖沼に関する写真やエピソードを共有し、関心を高める取り組みが行われます。

  2. 国際的な連携と協力の強化:

    • 国際会議・サミットでの議論: 国連環境総会(UNEA)や国連水会議、世界水フォーラムなどの国際会議の場で、湖沼保全の重要性を訴え、具体的な取り組みに向けた議論を促進します。

    • 共同提案と決議: インドネシア政府が中心となり、日本をはじめ多くの国々が共同で国連総会に「世界湖沼の日」の制定を提案し、採択されました。今後も、各国の政府、国際機関、NGOなどが協力して、湖沼保全のための国際的な枠組みを強化していくことが期待されます。

    • 研究機関・博物館との連携: 琵琶湖博物館のように、海外の博物館や研究機関と協力協定を結び、学術的な研究や情報交換を通じて、湖沼の保全と持続可能な利用に関する知見を共有します。

  3. 具体的な保全・再生への行動促進:

    • 地域コミュニティの参加: 地域住民が湖沼の保全活動に積極的に参加する機会を創出し、身近な湖沼への愛着と保全意識を育みます。

    • 科学的知見の活用: 最新の科学的知見に基づいた湖沼管理の手法を普及させ、より効果的な保全・再生策を推進します。

    • 官民連携: 湖沼保全のための活動に必要な経費は、各国官民の自発的な拠出によることとされており、企業や団体との連携を深め、資金面での支援や協力体制を構築します。

推進システム

「世界湖沼の日」の推進システムは、主に以下の機関や枠組みによって構成されています。

  1. 国連環境計画(UNEP):

    • 「世界湖沼の日」の事務局を担うこととされており、国際的な広報活動や各国の活動を調整する中心的な役割を果たすことが期待されます。

    • 各国の政府や国際機関、市民社会組織と連携し、湖沼保全に関する情報共有や技術支援を行います。

  2. 国際湖沼環境委員会(ILEC):

    • 「世界湖沼の日」制定に向けて長年尽力してきた日本のNGOであり、今後も重要な役割を担います。

    • **世界湖沼会議(World Lake Conference)**を主催し、学術界、政府、市民、NGO、企業など多分野の参加者が湖沼とその流域の持続可能な管理について意見交換するプラットフォームを提供しています。

    • 「世界湖沼の日」制定への関心を高めるためのキャンペーン(例:Instagramハッシュタグキャンペーン)などを実施しています。

  3. 各国政府・地方自治体:

    • 国連決議に基づき、各国政府が自国内で「世界湖沼の日」の遵守を促進し、湖沼保全に関する政策や活動を推進します。

    • 特に、琵琶湖を有する滋賀県のように、独自の「びわ湖の日」を制定している地方自治体は、これまで培ってきた経験とノウハウを活かし、国内および国際的な湖沼保全の取り組みをリードしています。

  4. 市民社会組織(NGOs)や研究機関、企業:

    • 湖沼保全に関する具体的な活動を行うNPOやNGO、研究機関が専門知識を提供し、地域住民や一般市民の参加を促します。

    • 企業もCSR活動の一環として湖沼保全に取り組むことが期待されており、資金や技術の面で貢献する可能性があります。

これらの多岐にわたる主体が連携し、それぞれの役割を果たすことで、「世界湖沼の日」は単なる記念日としてだけでなく、地球上の貴重な水資源である湖沼を守るための具体的な行動へと繋がる国際的なプラットフォームとして機能していくことが期待されます。

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