レアアース(希土類元素)は、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)とランタノイド(原子番号57のランタンから71のルテチウムまでの15元素)を合わせた計17元素の総称です。
| 分野 | 詳細 |
| 特徴 | 現代のハイテク製品やクリーンエネルギー分野に不可欠な特性(強力な磁石、蛍光体、触媒など)を持つ。**「産業のビタミン」**とも呼ばれる。 |
| 用途例 | 電気自動車(EV)のモーター、風力発電機、スマートフォン、LED、MRI(医療機器)など、多岐にわたる。 |
| 名称の由来 | 元素自体は地球上に比較的広く存在していますが、単独で濃集して採掘しやすい鉱床が希少であること、および発見当初に分離・精製が困難であったこと("earth"は「酸化物」の意味)に由来します。 |
日本のレアアース産出状況
現在、日本国内でのレアアースの商業的な採掘・生産は行われておらず、基本的に輸入に依存しています。
ただし、将来の国産資源として期待されているのが、南鳥島周辺の日本の**排他的経済水域(EEZ)内の深海底で見つかった「レアアース泥」**です。
発見:2012年に東京大学の研究グループによって発見されました。
品位・埋蔵量:中国の陸上鉱山の20倍の品位を持つ「超高濃度レアアース泥」が含まれるエリアがあり、有望エリアだけでも日本の年間需要の数十年から数百年分に達する莫大な資源ポテンシャルがあるとされています。
課題:水深5,000mを超える超深海からの採掘・揚泥技術の確立や、環境への影響など、実用化にはまだ多くの技術的・経済的な課題があります。
世界的な分布(2022年時点)
世界におけるレアアースの生産と埋蔵は、特定の国に偏在しています。
1. 生産量
| 順位 | 国名 | 生産量(万トン) | 世界シェア(約) |
| 1位 | 中国 | 20万トン超 | 約70% |
| 2位 | アメリカ | 4.3万トン | 約14% |
| 3位 | オーストラリア | 1.8万トン | 約6% |
長らく中国が世界の生産量のほとんどを占めてきましたが、近年は中国以外の国(アメリカ、オーストラリアなど)での生産も増加し、中国への依存度は下がりつつあります。
2. 埋蔵量
| 順位 | 国名 | 埋蔵量(万トン) | 世界シェア(約) |
| 1位 | 中国 | 4400万トン | 約37% |
| 2位 | ベトナム | (順位は変動あり) | - |
| 3位 | ブラジル | (順位は変動あり) | - |
埋蔵量で見ても中国が世界最大ですが、生産量とは異なり、他の多くの国にも埋蔵されているとされています。
この動画では、日本のEEZ内の貴重なコバルトやその他のレアメタルの塊が分布する範囲が確認されたことについて解説されています。
300年分のレアメタルわがEEZに“四国+九州”に分布(19/12/11)
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