IOWN(アイオン)とは、NTTが提唱する次世代の情報通信ネットワーク構想のことです。正式名称は「Innovative Optical and Wireless Network」で、「革新的な光とワイヤレスのネットワーク」を意味します。
IOWN構想の最大の特徴は、これまでの通信の主役だった電気信号を、光信号に置き換えることを目指している点にあります。この「光」を中心とした技術革新により、現在直面している様々な社会課題の解決や、新しい価値創造を目指しています。
IOWNを構成する3つの主要技術
IOWNは、単一の技術ではなく、以下の3つの主要な技術分野から構成されています。
オールフォトニクス・ネットワーク(APN: All-Photonics Network)
ネットワークから端末まで、すべてを光(フォトニクス)ベースの技術で構成することを目指します。
これにより、従来の電気信号の処理で発生していた電力消費や通信の遅延を大幅に削減し、低消費電力、大容量、低遅延の通信を実現します。
通信速度は現在の125倍、遅延は200分の1、電力消費は100分の1に削減できると期待されています。
デジタルツインコンピューティング(DTC: Digital Twin Computing)
現実世界のモノやヒト、さらには社会や経済活動といった膨大な情報をサイバー空間に再現し、それを組み合わせることで、未来を予測する技術です。
単なるシミュレーションを超え、現実では不可能な様々な条件を組み合わせた演算を行うことで、社会課題の解決や新たなビジネスの創出を目指します。
例えば、個人のバイオデータを組み合わせて病気を予測したり、都市の交通状況をシミュレーションして渋滞を解消したりといった活用が期待されています。
コグニティブ・ファウンデーション(CF: Cognitive Foundation®)
ネットワークやITリソースなど、あらゆるICT(情報通信技術)資源を統合的に管理・制御し、全体を最適化する機能です。
この技術により、ネットワークやサービスが自律的に進化し、社会の状況に応じて最適な情報流通を可能にします。
IOWNが目指す社会
IOWN構想は、これらの技術を組み合わせることで、以下のような未来社会の実現を目指しています。
エネルギー問題の解決: 通信ネットワーク全体の消費電力を大幅に削減し、カーボンニュートラルに貢献します。
社会課題の解決: 医療、教育、交通、防災など、あらゆる分野でデータ活用を高度化し、より豊かで持続可能な社会を築きます。
新たな価値創造: 高精細・大容量・低遅延の通信環境を活かし、リアルな体験を遠隔地でも共有できるような新しいエンターテインメントやサービスを生み出します。
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