前立腺は男性のみに存在する臓器で、生殖と排尿という2つの重要な働きを担っています。
その主な働きは、精液の一部である前立腺液の分泌と、射精時の尿のコントロールです。
1. 生殖における働き: 前立腺液の分泌
前立腺は、精液の約3割を占める乳白色の液体である前立腺液を分泌します。この前立腺液は、精子の生存と活動を助けるために不可欠な役割を果たします。
精子の保護と活性化: 前立腺液は弱アルカリ性で、クエン酸や亜鉛などの栄養素を含んでいます。これらは、精子が酸性である腟内で生き残るための環境を整え、精子の運動能力を活発にするのを助けます。
精子の運搬: 前立腺液は、精巣で作られた精子や精嚢から分泌される精嚢液と混ざり合い、精子を運ぶためのプールのような役割をします。
2. 排尿における働き: 射精時の制御
前立腺は、膀胱のすぐ下にあり、尿道を取り囲むように存在しています。そのため、射精時には尿道括約筋と連携し、精液が膀胱に逆流するのを防ぎ、精液を尿道へ押し出す役割も果たします。
前立腺の疾患
加齢とともに、前立腺は肥大しやすくなります。これを前立腺肥大症といい、肥大した前立腺が尿道を圧迫することで、頻尿や排尿困難などの排尿障害を引き起こします。また、前立腺がんも男性に多い疾患の一つとして知られています。
そのため、中高年男性は定期的な泌尿器科の検診が推奨されます。
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