タスクマネージャーの「詳細」タブで Chrome.exe
が40件も表示されているとのこと、驚かれるかもしれませんが、これはGoogle Chromeの設計上、ごく一般的な現象です。異常ではありませんのでご安心ください。
なぜ Chrome.exe
が多数表示されるのか?
Google Chrome(およびMicrosoft EdgeなどのChromiumベースのブラウザ)は、安定性、セキュリティ、パフォーマンスを向上させるために、マルチプロセスアーキテクチャを採用しています。
簡単に言うと、Chromeはブラウザ全体を一つの巨大なプログラムとして動かすのではなく、以下の要素をそれぞれ**独立した「プロセス」**として実行します。
ブラウザのメインプロセス: ChromeのUI(ユーザーインターフェース)や設定、全体を管理する基本的なプロセス。
タブごとのプロセス: 開いているウェブページ(タブ)ごとに独立したプロセスが起動します。これにより、あるタブでエラーが発生しても、他のタブやブラウザ全体がクラッシュするのを防ぎます。
拡張機能ごとのプロセス: インストールされている拡張機能(アドオン)も、それぞれが独立したプロセスとして動作します。
プラグインごとのプロセス: Flashなどのプラグイン(現在はほとんど使われませんが)も独立したプロセス。
GPUプロセス: 画像や動画の描画を担当するGPU(グラフィック処理装置)を扱うプロセス。
ネットワークプロセス: インターネットとの通信を処理するプロセス。
メリット
このように多数のプロセスに分けることで、以下のようなメリットがあります。
安定性の向上: あるタブや拡張機能がクラッシュしても、ブラウザ全体が落ちるのを防ぎ、その問題のあるプロセスだけを終了させることができます。
セキュリティの強化: 各プロセスが独立しているため、悪意のあるウェブサイトや拡張機能がPCの他の部分にアクセスするのを防ぐセキュリティ上の隔離(サンドボックス化)が容易になります。
応答性の向上: 各プロセスが独立して動作するため、ブラウザ全体の応答性が保たれやすくなります。
デメリット(と感じられる点)
メモリ(RAM)消費の増加: それぞれのプロセスがメモリを消費するため、開いているタブや拡張機能が多いほど、全体のメモリ使用量が増加しやすくなります。
タスクマネージャーでの多数表示: ご覧の通り、タスクマネージャーがたくさんの
chrome.exe
で埋め尽くされます。
40件という数について
開いているタブの数、インストールしている拡張機能の数、さらには閲覧しているウェブサイトの複雑さ(多くの要素や広告があるページなど)によって、chrome.exe
のプロセス数は大きく変動します。
もし多数のタブを開いていたり、たくさんの拡張機能を有効にしていたりするなら、40件という数は十分にあり得る数です。
メモリ消費が気になる場合
もし、この多数のプロセスが原因でPCの動作が遅くなっていると感じる場合は、以下のことを試してみてください。
不要なタブを閉じる: 最も効果的な方法です。
不要な拡張機能を無効化または削除する:
chrome://extensions
で確認できます。Chromeのタスクマネージャーを使用する: Chrome自体にもタスクマネージャーがあります(Chromeのメニューアイコン ︙ → その他のツール → タスクマネージャー)。ここで、どのタブや拡張機能が多くのCPUやメモリを消費しているかを確認し、個別に終了させることができます。
Chromeのメモリセーバー機能: Chromeの「設定」→「パフォーマンス」にある「メモリセーバー」をオンにすると、使用していないタブのメモリを解放してくれます。
キャッシュとCookieを定期的にクリアする: これもパフォーマンス向上に繋がります。
結論として、Chrome.exe
が多数表示されるのはGoogle Chromeの正常な動作であり、設計思想によるものです。ただし、それがPCのパフォーマンスに影響を与えていると感じる場合は、上記のような対処法を試してみてください。
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